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小規模ビッグ・バン
ただの世迷言だって、笑い飛ばしてくれたらいい。
ひとりになると
どこからか
不安が体を蝕んでくる
誰かに憤慨するたびに
まず死ぬべきはお前だろうと
胸に叫びが満ち満ちる
願わくは
ゆるりゆるりと
たとえばあの六等星のように
皆に知られるずっと前から
静かに
ひっそり
消えていけたら
誰もいない暗闇の中で小さく
ばん、と音を立てて
ばらばらに
壊れてしまえたら
どんなにか
どんなにか
楽だろう
あるいは
君の手にかかり
殺されるのも悪くない
君が愛してくれるまま
私を殺してくれたなら
――ああ、分かってる、分かってるよ
それこそ絶対ありえないってこと
ちょっと言ってみただけなんだ
かの昔
生れてすみませんと
桜桃の死者は笑い
一生の我儘かもしれないと
河童の死者は泣き濡れた
焼いてもらえず
残された遺書は今頃
いったい何を思っているのだろうか