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心象詩編  作者: 怜梨珀夜
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まるで夢のよう



 水の音が聞こえる

 風が森にささやくような

 波が砂をさらっていくような

 さあさあさあという音が


 僕はうまく開かないまぶたをこすりながら

 外の世界を窓からうかがう

 空はどこまでも灰色で

 しきりに白い矢が降ってくる

 やはりこの音の正体は雨だったようだ


 とたんに体が重くなる

 重力には逆らえないぞとばかりに

 世界からは逃れられないぞとばかりに


 僕はひとつ ため息をついて

 ベッドに戻る

 今はまだ 目覚める時ではない

 なんてうそぶいて


 ベッドに残してきた自分の脱け殻に

 もとの通りすっぽり入る

 中はとても暖かくて

 僕の体温はすべて

 布団が奪っていったのではないかと思う


 好奇心が半分だけ開けたまぶたを

 睡魔がぴっちり閉めていく

 几帳面なやつだなあ、と僕は笑った


 穏やかな雨の音と

 柔らかな毛布の感触で

 僕の心は快感に埋め尽くされる


 ああ、まるで夢のようだと

 思う頃には 眠りに落ちていた



「まるで夢のよう」をお題にして、15分TAで書きました。

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