表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
心象詩編  作者: 怜梨珀夜
16/18

青い吐息

 息苦しい。


 今日も僕の部屋は深海で、

 澱んだ空気に耽溺する、沈殿する。

 部屋の隅に溜まった空のペットボトルが、

 乱立した電柱のように僕を咎め続ける。


 ああ、息苦しい息苦しい。

 酸素なんてものがあるとは思えないほどだ。


 いっそのこと、

 肺なんてなくしてしまいたかった。

 ソーダの泡で喉を焼いて、

 傷の痛みで無理やり酸素を感じたかった。


 窓から見上げた空は埃のようで、

 雲に街の光が反射する赤茶けた夜。

 これでは博士の妖術に掛ることもできない。


 正気の僕は、自分を殺す代わりに、

 紙の上で人を殺す。

 炭酸飲料をあおりながら。

 自殺することから、逃げて逃げて、

 卑小な殺人犯に成り果てる。


 それでも喉と胸の痛みに耐えて、

 いつか許されることを願っている。

 まるで阿呆だ。胡乱な道化だ。


 ああ、本当に息苦しい。

 とにかくこの世は、生き苦しい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ