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僕の血潮は海
空からはぐれた流星を
涙に溶かして飲み干して
胃に棲む鮫に食べさせたなら
はるか頭上で母星が回る
楕円軌道の惑星は
地上の僕らとつかず離れず
落ちた星が気になるのだろう
赤い瞳が寂しげに揺れた
藍色を溶かし込んだ夜の海の
甘い侵食に身を浸していた
瞼を下ろすと潮騒が
急き立てるのが、……煩わしい
空っぽであることに疲れた僕は
君を好きでいること以外に能がない
今日も脳内を飴色の鯨が揺蕩っていて
まどろみの中で黒い雨粒が波間を汚した
熱に浮かされたような僕の体は
月光の下僕、満ち欠けを繰り返す
僕の血は青い青い海の色だって
言ったら君は笑ってくれるのかい