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*魔法の価値を問う1
ガタガタと、大きく震えるような振動が、全身に響く感じがする。
マオリは、左を向いて、硬くて平らなところに横たわっていた。
薄い、布のようなものに、顔まで覆われていて、少し息苦しい。
不快感が募り、目が覚めてしまった。
目の前には、深くフードを被った、背の高い男が座っていて、マオリに声を発した。
「マオリ、起きたか」
声は、低くて、感情が込もっていないように思えた。
マオリは、体を起こして、男に向かって座った。
頭痛がして、身体が怠くて、気分が悪い。
「ん、あれ」
マオリは、状況の整理がつかず混乱していた。
そのなかで、思い出したのは、お父さんの言葉。
この人は、きっと、ハルさん。
「訊きたいことが、沢山あるだろう、わたしも、マオリに伝えなければならないことが、ある」
彼は、まおりの動揺を静めるように、話す。
「私は、ハル。お前の父親に、お前の先達を頼まれた」
二人が乗る馬車は、小さな村に向かっていた。
読んでくださってありがとうございますね。
お話に矛盾が無いか、誤字脱字、チェックが大変です。
馬車、、、あたたかい目で見てやってください。