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*消えない里程標4
魔法はマオリの身の回りに溢れていた。
例えば、暖炉とか。
でも、お父さんが魔法を使っているところを見たことが無い。
魔法使いで、魔法を使う仕事をしているお父さんを、マオリは焦がれ、慕っており、未だ見たことのないお父さんの魔法に、とても興味と関心があった。
だから、お父さんが、何も言わず、ずっと持っていた大きなケーンを、両手で持って、マオリを見たとき、少し高揚した。
魔法を使ってみせてくれるのではないか。
「ここに、来たことあるよね、何か、するの」
お父さんを、しっかり見つめて言った。
お父さんも、マオリをずっと、見つめている、だけだ。
期待通りになれと、まおりは急かした。
「おとうさん」
お父さんは、言い難そうに、マオリの言葉に答えた。
読んでくださってありがとうございますね。