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女神な彼女  作者: なつみかん


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第四十八話 青春の現地調達

「太郎くぅん……大丈夫ぅ?」


ビーチパラソルの下で目を覚ますと、

大きな二つの白い山の向こうから

ハナコさんが覗き込んでいた。


……いや!山じゃない!これはっ!!

俺、膝枕されてるの?!……なんで?!


「たーくん、急に倒れるから

 私、抱えて来たんだよ」

隣にひなたが心配そうに覗き込んでいる。


つまり……俺はひなたに抱えられて、

ハナコさんに膝枕されていたのか?

なんで気を失ってんだよ!……俺のバカ!


って……膝枕?!

冷静さを取り戻した瞬間、

恥ずかしさが一気に押し寄せた。


「ごめん、ほら急に立ち上がったから

 きっと貧血でっ!」

俺はバネの様に起き上がり、冷静を装う。

……さようなら、ふかふか枕。


「なぁ、ちょっといいか?」

来人がやって来て笑顔で話す。

なぜか眉毛がピクピクしている。


「来人くん、どうしたのぉ?」

ハナコさんがふわりと聞く。


「いやー、俺も太郎と少し

 男同士の話がしたいなーって思って」


「ひなた先輩、太郎借りてっていいっすか?」

来人は営業スマイルで、ひなたと話をする。

口元までヒクヒクしてる。大丈夫か?


「いいけど、たーくん病み上がりなんだから

 あんまり無理させないでよ」


「はーい、わかってまーす」

返事と同時に手をグイッと引かれ、

砂浜を猛ダッシュで連れ去られた。


向かった先には仁王立ちで海を見る天道がいた。


「太郎くん……見損なったぞ」

背中を向けたまま天道が言う。


「……っ!一体、何がだよ!」


「お前、ハナコさんもひなた先輩も

 独り占めじゃねーか!

 どーなってんだよ!

 格差社会もいい加減にしろよ!」

ついに、来人が溜め込んでいた嫉妬を爆発させた。


「どーなってるもこうなってるもないだろ!

 気を失ってたんだぞ?」


「太郎くん!見苦しいぞ!」

天道が振り向いて近づいて来る。


「青春とは、もっとこう……

 平等であるべきじゃないのか?」


「何を無茶苦茶な、だいたい天道、

 お前はファンの女の子いっぱいいるだろ?」


「君たちが言う『天道ガールズ』の事だな

 ふっ……あれ、本当に僕が楽しいと思うのか?」

天道がキメ顔で言う。


俺と来人はお互い顔を見合わせる。

……楽しいに決まってるだろ、

ハーレムなんて男の夢だぞ?


天道は街頭演説の様に続ける。


「仮に、この場にファンの子を

 1人連れてきたとしよう。するとどうだ!

 ……仲間内で陰湿な嫌がらせが始まり

 天道ガールズは、またたく間に崩壊するだろう!」


「そ、そんなバカな……!」

俺と来人は声を合わせて驚く。


「バカな、ではない!」

「僕はそんな彼女たちの、バランスを調整する

 悲しきピエロに過ぎないのだよ……」


なるほど……モテすぎるのも困りものなんだな。

だから天道は「みんなのモノ」

とか言って彼女を作らないのか……


「……まぁでも、それは太郎くんも一緒だろ?」

天道がキラリと俺を見る。……ギク。


「どちらにもいい顔をしてるのは、

 今の関係を壊すのが怖いんだよね」


「ちょっ……やめろよ」

慌てて視線を逸らす。

海風が、やけにチクチクと肌を刺した。


「つってもさー、いいなー、お前らは

 なんやかんや女っ気があってさー」

来人が置いていかれた子供みたいに言う。


「俺も彼女、欲しいなー」


「来人は、もうちょい普通にするだけで

 彼女できそうだけどな」


「え、マジ?」


「だってお前、行動力凄いじゃん

 意外となんでも、こなすしさ」

「スケベちょっと隠せばイケるぞ?」

おだてるというか、結構、本音だけど言ってみる。


「おぉ……マジかー!やる気出てきたな!天道!」

来人が天道の前で拳を握る。


「そうだ!その意気だ!来人くん

 まだ見ぬフロンティアを目指し、お互い頑張ろう!」

天道も来人に合わせて拳を握り、ガシッと重ねる。


「あのー……やる気とか、頑張るとかって……何を?」

置いてけぼりな俺は尋ねる。


「何をって、ナンパに決まってるじゃないか?

 青春の現地調達だよ」

爽やかな笑顔で天道が言った。


ナンパだと……!そんなリア充の極みみたいな事……

俺みたいな、ごく平凡な高校生神主に務まるのか?!


俺は緊張を誤魔化すように

「かしこみ……かしこみ……」

と祝詞を呟きながら、2人について行った。

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