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魔王メイドエクリナのセカンドライフ  作者: ひげシェフ
第四章:魔王メイド戦記~その名はエクリナ~

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◆第67話:再会、そして新たな日常へ◆

魔哭神が破れ、玉座の間には沈黙が訪れていた。

肩を貸し合いながら、セディオスとエクリナは瓦礫の残る階段をゆっくりと下っていく。

決戦の名残が残る空間を、二人は確かに、生きて歩いていた。


そして、辿り着いたのは――大広間。

重く軋む扉を押し開けた瞬間、焦げた匂いと鉄錆の香りに、仲間たちの流した血と魔力の残滓が混じり合っていた。

戦場の熱気と、息遣いの混じる大広間――その中央に、仲間たちの姿があった。


「……ティセラ……」


倒れ伏した仲間たち。

エクリナはセディオスを扉際に下ろすと、迷うことなくティセラのもとへ駆け寄った。


「――……エク……リナ……っ!」


目を開いたティセラが、泣き崩れるように叫ぶ。

再会の喜びと安堵、全ての想いが涙になって頬を濡らした。


「終わった……魔哭神は討ち果たした。すべて、終わったのだ……」


震える手でティセラの肩を抱くエクリナ。

その声音は、かつての“魔王”のものではなかった。


その声に、他の二人も気づいた。


「ん……? エクリナ……? 本物……?」

「よかった……ほんとうに、よかったぁああ……!」


ルゼリアとライナが泣きながら飛び込んでくる。

ティセラは泣き崩れ、ルゼリアは声を殺しきれずにしゃくり上げ、ライナは子どものように笑い泣きした。

三人はエクリナに縋り、肩を寄せ合い、声を上げて泣いた。



その光景を、セディオスは安堵の笑みを浮かべていた。

笑みの影で、魔核の痛みが心臓を殴り続けるように響いていた。

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