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魔王メイド・エクリナのセカンドライフ  作者: ひげシェフ
第四章:魔王戦記~その名はエクリナ~

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◆第53話:第二の撃破◆

ライナの帰還が遅れていた。

「……遅い……どうしてこんなに……」


焦燥を胸に、ルゼリアは外へ出た。

風の匂いが変わっていた。焼け焦げた鉄と、血の気配。

そして、拠点の外縁――そこで彼女は“異物”を見た。


――ひとりの男が立っていた。

荷物のように担がれているのは、ライナであった。

「ライナ……!? 貴方は……ライナに、何をしたのですか!!」


問いかけよりも早く、彼女の魔導戦具が反応した。

《焔晶フレア・クリスタリア》――浮遊する紅の双晶が震え、咆哮のごとく赤き光を放つ。


「敵と判断!。即時、殲滅します――!」

燃え上がる魔炎とともに、紅蓮の〈フレア・レイヴン〉が翔ける。

紅の鳥が爆裂する軌跡を描き、セディオスを貫かんと突進した。


だが――斬撃が一閃。

炎が、音もなく霧散した。


「ならば、これで……ッ!!」

〈カルミナ・スピラ〉――天に渦巻く紅蓮の魔力。

その中心に螺旋の爆炎が膨れ上がり、セディオスを焼き尽くす――

はずだった。


「……! な……」

渦の中から、剣光が突き出る。

〈ルミナス・クリムゾン〉。

光と影が融合した刀身が、紅蓮を貫き、突進してくる。


「この火力を――切り裂いた……!?」

直後、〈テンペスト・ブレード〉が放たれる。

一瞬にして七閃。空気すら割く斬撃が、ルゼリアの魔装を切り裂いた。


「ぐ……っ!!」

膝をつき、血を吐く。それでも、目は死んでいなかった。


「まだ、終われません……王の側に、帰らねば……!」

その瞬間、周囲の空気が変わった。


炎の温度が一気に跳ね上がり、視界が朱に染まる。

大地が焼け、岩が裂け、天すらも焦げ付く――

それはこれまでの攻撃とは桁の違う、破壊の気配。

彼女の炎が再び燃え上がる。


〈バーニング・デクリエイト〉――破壊と爆砕の極点。

全魔力を注ぎ込み、世界を焼き尽くす魔焔を展開――


「――終焉を、否定する」

セディオスの〈アストラル・リバース〉が起動する。

時空の反転。炸裂する光の斬撃が、炎を呑み、魔法を相殺した。


爆音が轟き、閃光の中にルゼリアの身体が跳ねるように吹き飛んだ。

「かはっ……!」


地に倒れ、焦げた装甲が砕け落ちる。

焔晶が弾け、彼女の意識が遠のいていく――


セディオスはゆっくりと歩み寄った。

そこにあったのは、人すら斬ることをためらわぬ冷え切った意志――ただそれだけだった。

彼は手を翳し、掌に淡い光を灯した。


「――君もまた、眠るがいい」

光が額に触れた瞬間、抵抗するルゼリアのまぶたがゆっくりと閉じた。

荒野に静寂が戻る。


セディオスは背を向け、剣を背負い直す。

片肩にライナを担ぎ、もう片腕には崩れ落ちたルゼリアの身体を抱え込む。

二人分の体重と装備が全身に食い込み、歩みは重くなる。


それでも、足は止まらなかった。

歩みの先にいるのは――かつて戦場で見た、あの“魔王”。

「……貴様が、何者か。必ず見極める」


月光がその剣士の背を照らす中、

“決戦”の気配が、静かに満ちていった。

次回は、『8月31日(日)13時ごろ』の投稿となります。

引き続きよろしくお願いしますm(__)m


ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

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