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魔王メイドエクリナのセカンドライフ  作者: ひげシェフ
第四章:魔王メイド戦記~その名はエクリナ~

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◆第40話:名前を呼ぶ夜◆

やがて、ようやく“本日”の実験が終わった。


二人は無言で、石の牢に戻された。

冷たい床。揺れる鎖。光のない空間。


ティセラは、静かに泣いていた。

死ねない。逃げられない。

初めて見た神は、優しさも慈悲もなかった。


それでも――隣に、同じ痛みを知る少女がいた。


「………………」


「エ、エクリナさん……いつも、あのような……?」


「…………」


返答はない。けれど、ティセラは続ける。


「わたし……怖かったです。死にたいと思うくらい、痛くて……怖くて……でも……」

「でも、エクリナさんが、あんなに頑張ってたから……私も、頑張らなきゃって、思ったんです」


その言葉は、確かに届いていた。


エクリナの中に――

命令でも、魔法でもない、初めての“温かさ”が灯った。


やがて、誰もいない夜の中で。


「……ティセラ…だったか?」


エクリナが、初めて自ら名前を呼んだ。


「……はい」


闇の中、ふたりは微かに微笑み合った。

この絆が、やがて魔王の運命を変えてゆくのだった。

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