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魔王メイドエクリナのセカンドライフ  作者: ひげシェフ
第三章:静穏と影の狭間

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◆第30話:仮面の影、浮上する真意◆

大地を割るような轟音と共に、エクリナと黒騎士の戦いが激しさを増す。闇の奔流と斬撃が交錯し、空間すら悲鳴を上げる。

「――我を狙う愚か者よ。我が闇に呑まれるがいいッ!!」


〈スペース・ランス〉が放たれ、漆黒の魔槍が黒騎士を貫かんと迫る。

しかし、黒騎士はその場を跳躍し、双剣で闇の魔力を切り裂いた。


「貴様の傲慢、ここで断つ!」

「その覚悟、良し。我が“王”としての威光、思い知らせてやろう」


刃と魔力が激突し、空間が歪む。

エクリナは空間転移で背後に回り、魔力弾を連射。

黒騎士はそれを双剣で受け止めながらも、空中で回転し反撃に転じる。


一方、ライナとルゼリアも再び動く。

ライナが跳躍して敵の動きを止め、ルゼリアが上空から炎の弾幕で殲滅。

傀儡兵たちと黒騎士を、狙いすました連携で一点へと追い立てていく。


「王様、代わるよ! 僕が相手だっ!」

「エクリナ準備を、カルミナ・スピラ、収束照準――!」


ライナの雷撃が黒騎士を弾き飛ばし、ルゼリアの螺旋火炎が全体の進路を塞ぎ寸断する。

二人の魔法によって黒騎士の動きは一瞬だけ封じられ、敵軍勢は一点に集約された。


「エクリナ、今ですッ!」

「よくぞ抑えた――我が王命に従いし夜よ、顕現せよ……!」

エクリナは魔力の収束を切り替え、大規模術式を発動する。


《ディア=エクリプス・サンクション》。

黒き月が召喚され、戦場の中心――黒騎士と傀儡兵の密集地点を包み込むように重力が反転。

巨大な力場が敵陣を浮かせ、逃れる暇もなくその全てを術の核へと吸い寄せる。


そして、超密度の闇光線が降り注ぎ、空間ごと爆裂する――。

戦場が一度、沈黙に包まれた。


……だが、その黒煙の中――姿を現したのは、無傷の黒騎士。


「貴様を討つ……それが我が使命」

「ならば来い、黒騎士よ。我が闇で、貴様の執念ごと消し去ってやろうぞ!」


再びの激突。斬撃が、雷が、炎が交錯し、宿ごと戦場が揺れる。


――その最奥、ティセラは《ソリッド=エデン》の再展開を完了していた。

結界はさらに強化され、民間への被害は一切ない。

「エクリナ、皆……どうか、無事で」


静かにそう呟くその眼差しは、誰よりも戦局を見据えていた。

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