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むかしむかし あるところに よくばりなわるいまじょがいました
まじょは たびびとのおとこに しょうかんしをつれてこいといいつけます そうすれば おまえののぞみをかなえてやるとやくそくをして
たびびとのおとこはまたたびだちます こんどはしょうかんしをつかまえるたびです
とおいとおいもりのおくにあるむらを よくばりなわるいまじょのいいつけどおりに たびびとのおとこはやきはらいました
まんげつのよる おつきさまのしたで むらびとはにげまどいます
そのとき とおくのほうで ひかりがよるをてらしました
たびびとのおとこは つれのしょうじょとてをつないで ひかりのもとへむかいます
ただ そのてににぎったちいさなてのもちぬしの ためだけに
たびのとちゅう もりのなかでそうなんちゅうに ふたりといっぴきは ちいさなむらをみつけました
むらびとは みんなやさしく ふたりといっぴきをもてなしました しかし よくばりなわるいまじょのては とおいとおいもりのおくにあるそのむらにまで とどいていたのです
むらびとはふたりといっぴきに つくりばなしをでっちあげ もうけばなしをもちかけました
ひとりといっぴきはのりきになれませんでしたが ひとりはたびのろぎんのためにと ひとりといっぴきをおいて むらのそとへいってしまいました
そのひのよる むらはやきはらわれ ひとりといっぴきはじぶんたちだけで よくばりなわるいまじょのしかくをおいかえそうとしました
しょうかんしのしょうじょは ことばをしゃべるねこをたすけるために ほのおのまえにとびだしました
ほのおにのみこまれたしょうかんしのしょうじょは うすれるいしきのなかで たすけをもとめます
ほかのだれかではなく ほかならぬじぶんじしんに はじめてしょうかんしのしょうじょはもとめます
そのときです
しょうかんしのしょうじょは ひかりにつつまれました
そして
おおがらなせいねんと こがらなおんなのこが ひかりのなかからあらわれました
もりのなかでにどめのそうなんちゅうに まどうしは まぶしいひかりのはしらにきづきました
いやなよかんにかられながら まどうしは まほうをつかってむらにもどろうとしますが なんどやっても むらにはたどりつけません
まどうしは ものすごく ほうこうおんちでした
むらにたどりつくまで なんども なんども まどうしは あきらめません
まどうしは ものすごく ほうこうおんちでした
それでも まどうしは あきらめません
まどうしは ちょうぜつに ほうこうおんちでした
にどめのひかりがそらをてらしても まどうしは まだやっています
まどうしは じぶんがほうこうおんちであることを このときはじめて さとったのです
しょうかんしがしょうかんするものは いかいの しょうかんじゅうです
しかし しょうかんしのしょうじょが しょうかんしたのは
じょしこうせい と ヘタレ でした
まどうしは まだ もりのなかでそうなんちゅうです