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ショートショート6月~

亀とウサギ

作者: たかさば

毎朝公園にウォーキングに行っている。


行きのコンビニでおにぎりとお茶を買って、ベンチで食べて、ぐるっと一回りして帰ってくるのだが。


いつも座るベンチに腰を下ろすと、目の前におかしな物体が見えた。


なんだ?


目の悪い私が、目を凝らすと…動いてる!!


怪しいやつだ、近寄ってみてみると…亀!!!


この公園には、でっかい池が二箇所あるのだが、そこに亀が多数生息している。


そこから逃げ出してきた?


いやしかし池とこの場所は結構離れてるんだよね。


距離にしておよそ150メートルほど。


この亀の歩みで、150メートルを闊歩してきたと?!


…いったいいつから歩み始めたというんだ!!!


亀はただ一心不乱に、私の横を通り過ぎていく。


君の行く先に…水辺は…ない!!!


どうしよう、迷ってるのか?


まさか、ウサギと競争でもしているとか?!


…この先に、小高い丘がある!!しかも一本松もあるぞ!!!


周りを見渡すも、ウサギの姿はない。


一本松を越えた先は、コンクリートの住宅街だ。


うおお、どうする!!


私は、亀を持ち上げて、念のために一本松の下に持っていった。


足をじたばたする亀。


ズルはしないと誓ったとでも言っているのか。


あいにくだな、私は亀の言葉が分からない。


一本松の下に行くと…。


おや。


先客がいらっしゃる。


ピンク色のTシャツのおじさん。


この人ウサギじゃないよねえ。


「なにそれ、何で亀もってんの!!」


笑われた。


「いや、なんか落ちてたから。」


「あはは!面白い人だね!!」


面白い人扱いされた。


おじさんは颯爽とジョギングをするため、駆けていったのだけれど。


「あ。」


その背中には、ウサギのロゴが、ついていたのだった。


私は一本松から200メートル亀を持って、池の前まで移動した。


池の手前に亀を置くと、のそのそと水の中に入っていった。


私は揺れる水面を見ながら、池の前のベンチに腰掛けて、少々遅くなった朝ご飯のおにぎりにかぶりついた。


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― 新着の感想 ―
[良い点] やさしい。カメを持ち上げるなんて。 自分ならスルーするかもしれないし、助けるかもしれない。 [気になる点] カメ持って200メートル歩くの大変でしょう。
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