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無能な俺が異世界で死なない為に頑張る  作者: トントン
第一章 星野英雄編 ついでにちょっと金田真男
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1-2話 ケルベロスに食われるかも

ぶっちゃけて言いますと1話、2話は正直書いてて面白くありません。

誰が悪いかというと100%俺が悪いのですが(汗

3話目からは書いてて楽しいのですが、みなさん無理言って申し訳ございません。

取り敢えず3話目まではとりあえず付き合って下さい。

ガシーッン

剣がぶつかり合う。

「はは、止めたぞ。」驚いた表情を見せる女性。

それ以上に驚いた俺。女性は顔を俺に近づけた。もう10cm位の距離だ。

「貴公、名前は?」

もう次に攻撃されると今度こそ死ぬ。冷や汗を掻きながら

「ヒデオといいます」

「私の剣が見切れたか。」

正直に答えた。

「いえまったく見えませんでした。ほとんど運です。ただ・・・」

「ただ・・・何だ」

「なんとなく俺が死ぬとドキドキしていましたが、貴女を見ていると怒りがあまり感じられなかった」

「ほう。」

「俺が弱いのも分かっているでしょう。」

「・・・」

「もう弱いアピールをするために後ろに下がったり剣の持ち手をコロコロ変えたりしてみました。分かってくれていると思います。」

・・・剣の力が段々強くなってきている。

「決闘で斬る価値がない。と貴女は思った。懲らしめる位にしようと。寸止めで許してくれると思ったんです。」

まずい。どんどん女性の剣に力が入る。手がプルプルしてきた。

「きっと貴女は凄い実力者だと思います。だからこそ寸止めは左手に持った剣はギリギリのコントロールを狙う為、右より左からのコントロールがしやすいかな・・・と」

あっ剣の力が抜けてきた。

「あと・・・太陽の位置から攻撃の際右からだと直射で見辛いから・・・」


女性は剣で円を描くように動かし下方から急速に上に上げ俺が握っている剣のわずかに出る鍔に当て俺の剣を飛ばし自身の剣を鞘にしまう。

赤いワンピースの泥を手で叩き服の皺を整えた。

「私の名前はリサ=ワーレント。今度会うときは服を汚した侘びとして食事でもご馳走してもらおう。」

右手を小さく上げて去っていった。


助かったと安堵していると、野次馬が騒がしくなってきた。

「おいっリサ=ワーレントって・・・」

「赤の剣聖?」

「なんでアーレントにいるんだよ。同姓同名?」


もう変な事に巻き込まれないよう剣を拾い上げ慌てて逃げた。


こっそり路地裏に逃げてきた。小さく丸まってこの後のことを考える。

目標は地球に帰る。ただしその為にはこの世界で短期的にでも生活をしなくてはならない。

場合によっては長期の覚悟も必要。衣食住の確保、職の確保、死なない程度に自衛力能力確保。

・・・そうだ!この世界にピアノがあるか確認してみよう。

練習をしなければ地球に戻っても何の能力がない自分になる。

旅をする覚悟も必要か。


漫画みたいに突出した能力がある訳ではない。

覚悟を決められぬまま、その場で時間だけが過ぎていく。


少し辺りを見渡した。ここに移転した瞬間に決闘なんて始まったから回りをみる時間なんてなかった。路地裏から見るこの世界は中世っぽく見える。

路面は土と石畳でできており辺りの家も柱の部分は木製だが壁は石壁だ。石壁の石は大きさに統一感がなく加工技術が遅れているのか?石材と加工で建築費を抑えているだけかもしれない。

女神に貰った剣も見てみる。剣には反りがなく両方に刃が付いている。重さあるが日本刀を持ったことがないので比較はできない。刃を少し触ってみるが切れ味がいいとは思えない。

動き回って汗が噴き出たが過ごしやすい気温と湿度だ。季節的なところあるだろうから結論を出すのは早そうだ。

やはりヨーロッパ辺りの中世に近いと考えた方がすっきりする。


「いた!!」

路地の入口に人が立っていた。

ローブのフードで相手の顔が見えないが、怪しさ満点。


思わず警戒して剣に手を、となったが先程の様に言い訳ができない状況にはなりたくないのでスッと立ち上がって少し後ろに下がる。

「な・・・何か?」

ローブの人はフードを取り

「少し時間いい?」

と傍に近づいてきた。

黒い、そして軽くパーマがかかった髪。

先程、戦闘した女性リサとはまた別の意味で、綺麗な女性だ。

リサ=ワーレントが洋風ならこの黒髪は和風。

危ない!美人局かもしれない。警戒をしながら話をする。まあ警戒しても逃げるという選択肢しか無い訳だが。黒髪の女性は右手の人差し指を軽く動かし話を続けた。

「先の剣聖との決闘は凄かったね」

ニコリとほほ笑む。

「凄いというか、もう出来レースです。」

「出来レース?」

「あの方、右脇腹辺りを怪我しているみたいで、もう決闘なんてしたくない様子でした。仕切りに左手を動かして左から攻撃します。とアピールして・・・。本来俺が右に剣を出した段階で瞬時に左へ攻撃切り替えるスピードがありそうですから。」

「結構冷静に対応していたのね。」

黒髪の女性は軽く目を閉じ再び話始める。

「剣を止めた時の理由が違うみたいだけど。」

「怪我の事は言わない方がいいのかと判断して、とりあえず思いつく理屈を述べてみました」

「じゃあ、私に話かけられてどう思う」

「美人局か何かと警戒しています。でも綺麗な女性に話かけられて悪い気はしません。」


・・・おかしい!何故にペラペラと話してしまっている!警戒を強めて更に後ろに下がる。

俺は顔面を右手で抑え左手で質問しないように黒髪の女性に掌を向けた。

「えーと・・・」

「あっ、流石に気づいちゃったかな?」

屈託のない笑顔を俺にみせて「ごめんね」という。

「あまり手の内を明かしたくないけど、光の魔法の一つだということは教えてあげる。」


魔法!やっぱりファンタジーぽい世界なのか。滅茶苦茶、興味がある!!

「いい気分はしませんが、田舎者の俺は知らない事ばかりです。ご教示して頂ければ幸いです。」

「なんだかずっと硬いなあ。まあお詫びにバーでも行こうか」

兎に角、情報を少しでも多く、その為には少々の危険も覚悟の上だ。と自分に言い聞かせた。


路地裏を出て大通りを歩きだす。また黒髪の女性は人差し指を軽く動かす。

「!!また魔法!!」

「うん。気が付いた?!でもこれ貴方を少し守る為の魔法だから気にしないで。」

「また光の魔法?ですか?」

返事は返ってこなかった。手の内は明かさないか・・・。

少しの間沈黙となる。聞きたいことがあるが、それはバーに行ってから話すほうがいいだろう。こんな時の女性との会話のスキルがあればなどと考えていると目の前に大きな建物が見える。

「あれは?」

「ああ、あれはロロ教の教会だよ。」

「教会!」

もしかするとあの女神と話しができる?前回の女神との会話に得る物は無かったがもう少しだけ話を聞きたい。

「ロロ教以外に教会があるんですか?」

「貴方、本当に何も知らないんだねえ。3姉妹の女神がこの世界を作ったと言われるから3つの教会があるわよ。」

ローラ=ローレンツ女神、だからロロ教なんだろう。安直な考えだが可能性がある!

「ちょっと教会に寄りたいのですが・・・」

「・・・いいわよ。」


教会内は広く、人も多くいた。中央に見たことのある人物の像が建っている。

ローラ=ローレンツ女神だ、ビンゴ!

台座も合わせると3m近い像の前で跪いて手を合わせ目を閉じた。

ローラ様!

・・・

ローラ様!!

・・・

ローラさまああ!!!

何度も心の中で叫んだ。



『うるさいわ!!』

声が聞こえてきた。

『ローラ様、先程はありがとうございました。移転者でございます。』

『童のトイレを覗くとは本気で天罰を与えるぞ』

ええっ。意味がわかりません!

『あのー、剣をもらった移転者でございます。トイレの意味がわかりませんが・・・』

『うん?・・・ああ人違いじゃ』

あいかわらず、訳が分からない女神だな。

『一つ伺いたいのですが、隣の黒髪の女性。信頼の置ける方でしょうか?』

沈黙の時間が続く。


・・・

『お主をからかい過ぎて悪かったところもあるし今回はサービスだ。その女性の色は白じゃ。黒の1点も見られるが抑え込もうとしているし広がりを見せようともしている。』

『色とは?』

『・・・それは自分で考えろ。お主が考え、思った道を進むのだ。それが正解であり失敗であり、生死にかかわることでも・・・それが人生じゃ』

ん!女神初めてまともな事言った?

『最後にとてつもないことを一つ。その女性・・・』


ゴクリ。俺の喉が鳴る。


『とてつもない・・・』


ゴクリ。さらに俺の喉が鳴る。


『超巨乳だ』


・・・はいっ?


『頭が三つあるのかと思うたわ。ケルベロスかと思うたわ!と伝えてくれ』


目をパチッと開けた。

「終わった?長かったね。」

「はい、行きましょう、ケルベロスさん。」

「??はいっ??えっ?何?何?」


ケルベロス姉さんが登場してくれました(#^^#)

彼女の日常の活躍は次話から、魔法使いの活躍は10話(予定)です。

ようやく主人公も動き出す?

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