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限界の先にある世界(旧名、限界異世界)  作者: 棹中三馬
第一章 転移、そして成長
2/10

001 どうやら俺達は異世界に来たらしい

2019/08/21 投稿

どーも、棹中三馬です。

「限界集落」をテーマにした異世界転移コメディを目指しております♪

ぱっとみおもっくるしい話ですが、実際は主人公達が異世界で冒険したり、ふざけたり、イチャイチャしたり、……したり、な単なる学校転移物ですので気楽に読んでくれたら嬉しいですヾ(*>∇<*)ノ

 教室の窓の向こうに広がる景色は、広大な大草原だった。

 さっきまでビルが所ぜましと建ち並ぶ東京の景色が広がっていたにも関わらず。


 俺達はさっきまで教室でずっと自習をしていた。

 だが突然、教室中が目映い白い光に包まれて何も見えなくなり、すぐに光が消え去ったと思ったらこの有り様である。


 周りのクラスメイト達は首を傾げたり、それぞれの憶測を語り合ったり、スマホで外の景色をバックに窓越しで自撮りをしてみたり、外の景色を見ながらジャンプを読んでいたり……担任なんて窓の方向を見ながらまるで魂が抜けたみたいに口をポカンと開けていた。



「もしかして俺達……異世界転移をしてしまったのか?」



 誰が言ったのかまでは分からないが、まあ誰が言おうが最早どうでもいい。

 全員の答えは言わずと満場一致だった。

 要するに俺達は地球とは明らかに異なる世界に来てしまったと言うことだ。


 窓越しに見える、大草原に佇む大きなドラゴンがそれを証明してしまっている。

 恐らく、ライトノベルによく出てくる剣と魔法のファンタジーの世界……って世界だと思う。



 ……あれ? よく見たら教室に会長の姿が見当たらないなぁ……。

 まあお手洗いにでも行っているのだろう。

 ……んっ? 誰だあいつ?



「こほん。ようこそ。我の所有する剣と魔法のファンタジーの異世界『メイプル』へ。我はお前達をこの学校ごと異世界転移させた異世界の神、カタクトフじゃ。お前達の新たな旅立ちを歓迎しよう」



 白のローブに身を包んだふさふさ白髪ヘアーと、いかにも神様らしい格好をしたお元気そうなじいさんが、いつのまにか教卓の前に立っていた。

 さっきまでそこには誰もいなかった筈だが、自分で神様なんて言ってるから神様の力ってやつを使ってテレポートでもしてきたのだろうか?

 めっちゃくちゃ胡散臭いけど、このじいさん。



「かっ、神様!? いきなり何を言ってるんですかあなた!? どうみても不審者でしょうがぁ! 今すぐ不法侵入罪で警察に突き出しますよ!」



 神様のすぐ横でつったっていた担任教師の松林信竹(まつばやしのぶたけ)(25歳・独身)が、通報をしようと胸のポケットからスマホを取り出すが……。



「……あれ? 都内なのに電波が圏外だと!?」


 

 そりゃ異世界にいるんだから圏外に決まってるだろアホメガネ。

 それもコミカルにずっこけて眼鏡を落としそうになってんじゃねーよ。

 お前はどっかの悪の組織のボスかよ。


 ……あっ、アホメガネは俺が心の中で担任に向かって言うあだ名だ。

 流石に指導が怖いから本人の前では絶対に言わないぜ。



「ふっ、たかが警察ごときに神様()を取り押さえられると本気で思っているのかね?」


「くっ、私は一体どうすれば良いのだ……」

 

「ふっ、足掻きはもう終わりか若いのよ」



 何しょうもない事やってんの俺らの担任と神様?



「……まだだ。ここで倒れたら東大の名に傷がつく!」


「ほう……。立ち上がると言うか若いのよ。……面白い」



 足掻くなよアホメガネ。

 こんな低クオリティの争いで東大卒のプライドをかける方が東大生の恥だ。



「そもそも窓の外の景色は一体何なんだ! 明らかに東京はないだろ……りゅぅ……竜ゥゥ!? ありえないありえない、現実の世界にドラゴンがいるなんて………こんな非論理で非科学的なこと……はぁ……ああっ……」



 ……あっ、外のどでかいドラゴンに今更気づいたらしく、頭の処理が追い付かなくて倒れちゃったよ俺らの担任。

 これでも一応東大卒のエリート教師だというのに、魔法とか異世界転移とか科学で説明できない問題には、彼にはどうやら難しかったようだ。



 泡を吹いて倒れてしまった情けない担任に、心配して駆け寄るできた生徒が何人もいるのに、俺の右後ろの奴は心配するどころか寧ろガキの様にはしゃいでいた。



「はっ!? それって異世界転移ってやつじゃん! ラッキー!」



 こいつは佐藤圭作(さとうけいさく)。茶髪ショーヘアーの……ただの馬鹿だ。



「そんなこと言ってる場合じゃないだろ佐藤。少しはTPOを弁えろよ」


「そんなことより如月! お前もオレと一緒に異世界という大海原へ出ないか!? ハーレム王に俺はなる!」


「お前は絶対無理。それに広がってるのは大海原じゃなくて大草原だし。と言うかこんな時に一人だけジャンプを読んでんじゃねーよ」


「そんなつれない事いうなよー。異世界といえば冒険だろ? チート無双だろ? ほら可愛い娘ちゃん達が俺達を待ってるぜーい♪」


「ああ俺パス。冒険とか面倒臭いから学校から一歩も出たくないわ」


「ちっ、つまんない奴だなー。まあ良いや。お前が動かねーんならオレもやーめた」


「別に無理して俺に付き合ってくれる必要も無いんだけど……」


「なーに今更水くせえ事いってんだよ。オレとお前は親友じゃねーかよ」



 お前が勝手に俺を親友って呼んでるだけだろ……。

 まあこいつは面倒臭い奴ではあるが、決して悪い奴じゃないから、今もこうして他愛ない会話を交わしている関係ではある。



 ガシッ!


 「てめー、ふざけてんじゃねーよクソジジイ!」



 ……ん? なんだこの物騒な音は?

 嫌な予感しかしないなぁ……。

ここまで読んで頂きありがとうございます♪

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