表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

童話集 森からの贈り物

ルティとナハト・リンボル

作者: 守宮 葵

ルティは 柔らかな月の光の精霊でした。


いつものように 月の光が届くところを

ゆったりと お散歩していたある日。


それはそれは きれいな泉がありました。


その泉は とても不思議な穏やかさに満ちていて

中では 虹色の魚がたくさん泳いでいるのです。


『すてき!月光で虹色に光るお魚なんて』


ルティは 嬉しくなって

泉のほとりまで ふわりと おりてみました。


泉の水ごとすくい 何匹か虹色の魚を

水晶でできた器に入れて もって帰ることにしました。


あくる朝 ワクワクしながら器をのぞくと

一匹も 虹色の魚がいません。


『あら?お魚はどこに行ってしまったのかしら?』


ルティは 少し悲しくなりましたが

また 今夜も泉に行ってこなくてはと思いました。


その日の夜 出る前にもう一度器をのぞくと

なんと 昼間は一匹もいなかったはずの水の中に

虹色の魚がちゃんといるのです。


びっくりしたルティは 一晩中観察してみることにしました。

そして そろそろ夜明け

月の光と 日の光が入れかわるころ

少しずつ 解けるように虹色が薄くなり

完全に日が昇ると また泉のみずだけしか見えなくなりました。


『お日様の光で見えなくて お月様の光で見えるなんて

 ふしぎなことも あるものだわ。

 でも とっても素敵!とても仲良くできそうね!』


虹色の魚は ナハト・リンボルというお魚として

月の光の輝く夜にだけ見える

安らぎと倖せを運んでくれる月の精霊の

一番の友として 知られていくのはまた 別なお話し。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ