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澄み渡る空に僕と彼女が目指すものー邂逅篇ー  作者: 小鳥遊箕生


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僕と彼女と突然の別れⅠ

 あの空間の中で希世のお母さんだと名乗った女性に会って、この状況の何か得るものがあるかと考えた僕。だけど時間を置いて腕輪を翳してみても何の変化も起動も無かった。


「現時点での要点を確認すると、この施設内にいる人々を助けるのにその希世ちゃんのお母さんの力が必要なんだね?」

「そうね、父さんがどこまで研究を進めていたのか、今ようやく知ることが出来た。私には母さんと会うことすら叶わないけれど、どうにかして助かるすべがあるはずだわ」


まひるさんが希世の側に寄り、大きな眼鏡をくいと掛けなおした。そこで隆大くんに支えられながらも十四郎さんが手に端末を持ち、ある画面を見せてきた。


「君が見たのはおそらくこの景色だろう?」

画面には僕がいたあの白い不思議な空間が映し出されていた。

「そこはいったい何処ですか…?僕たちが地下に来てから感じたことないくらい広い場所だった気がするんですが」

「ここは私が妻のために用意した仮想空間だ。精神世界と言った方がいいのかもしれない」

「精神世界?そこはボクたちが行ける場所なの?」

「残念ながら生きた人間は不可能だ。意思疎通すら叶わない」

そこでふと僕は気が付いた。

「僕がそこに行けたのは…?」

「君がその腕輪をすることでこの世界と通信ができたのは単なる偶然じゃない。もしやこの世界の人間ではなく他の世界から選ばれてきたといった方が賢明かもしれん、」


 だから記憶がない…と思ったら自然と納得しそうになる。

「待ってください、僕は希世に見つけてもらって…」

そこで話すのを止めた。言葉が出てこない。

記憶が思い出せないのではなく、元から無かったのだとしたら…?


ズキン、と頭が疼くように痛みだした。


「航大くん、今は少し休みましょう。またここへ来るためには他の所も見ておかないと生存者がどれだけいるか目安も知らないといけないわ」

「その意見には賛成なんだけどさー!隆大が納得できない顔してるんだよね!生存者を選ぶって工程が気に食わない感じ?」

「それもあるが…航大がこれ以上自分の身を挺してまでの価値がどんだけあるかってのが本音だァ」


 どこまでも心配をしてくれる隆大くんに少し申し訳なさを感じながら今までのやり取りを黙って見ていた久坂さんに話を振った。

「久坂さんはどう思いますか」

「どうして聞くんです?」

「できれば意見が離れた人から聞いた方が選択肢が絞られるかなと思って」

「お人よしも大概にしないとまた面倒なことに巻き込まれますよ」

「僕には大事なことなので」


希世のお母さんにもう一度会いたい。

そうすればまた何かしらのヒントが得られる気がする。


「個人的には希世さんのお母さんとコミュニケーションを図るのが適策かと思います。精神世界で何が起こるか不明なので藍澤くんがいうように航大くんの身に何が起こるかいささか疑問を感じざるを得ませんが」


意見が合致した。そこで僕はある提案をした。


















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