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僕と彼女と瓦礫の山

 はじめまして、小鳥遊箕生といいます。



久しぶりにキーを取って(打ち込んで)彼ら彼女らに生きてもらおうと

思い立ち、作成しております。

遅筆なため、どれくらいで完結するかは不明ですが、

よければ最後までお付き合いください。



何か意見や感想があれば活動報告へのコメントにて

頂けると嬉しく思います。

また、長い期間更新しない日々が続いてしまう場合も

あります。

 その際はまた更新するタイミングを逃しているので

温かく見守っていただければと思います。(スケ管甘)






 突然、僕の前に現れたのは、金色の長髪を後ろで高く結わえた女の子だった。

「大丈夫?」

短い単語が彼女の小さな唇から紡がれる。手をこちらに差し出しながら、意外に力が強くて僕はへたり込んでいた地面から腰を上げることができた。

見慣れない輪っかが手首に付いている。手を引き抜くことも、取り外せそうもないくらいに固い。

顔を覗き込まれ、心配されているのだということに少ししてから気が付く。僕は首を横に振りながら、辺りを見渡すと無意識にため息が出た。

「こんな街、知らない」

 崩れたコンクリートのかつてビルだったものの残骸、環境緑化のためにと植えられていた木々も全てなぎ倒されている。いつもなら帰りの人だかりで溢れる駅前には、今は僕と彼女しかいない。変わり果てた街を見回した後、ふと目の前にいる彼女へ疑問を投げかけようと口を開きかけた。

「何か聞きたいことがあるような顔しているけれど、情報源が少ない今はすべて無駄。」

思わず先手を打たれて出かけた言葉がウッと喉元へ引っ込んだ。

「…何から聞けばいいかも分からないような顔もしてるわね」

彼女の総てを見透かすような話し方にデジャヴを感じる。

「ここでは話すのも気が滅入るわね、少し移動しましょう」

「……」

男子高校生だった頃に比べると、最近の僕の身長は、160センチを超えてから伸びる気力を失ったらしい。男子の中だと大柄ではない僕の目の前にいる彼女は、つむじがちらちらと見える。

 僕の疑問に明確に答えてくれることもなく、かつて喫茶店があった路地へと彼女は進んでいく。曖昧な記憶を頼りに迷いのない足取りに必死について行っている間、先ほど初めて会った彼女を何の躊躇いもなく頼ってしまっていることに僕は嘆息した。

カランコロン…

乾いたベルが控えめに響く。喫茶店の形は外観がかろうじて残っているだけで、中は荒れていた。入ってすぐにカウンターらしき台と、二つの小さめな椅子が転がっている。奥に進むと壁に沿って作られた低めのテーブルに二人くらいが座れそうな布が破れたソファと肘掛けが無い木製の子供用と思われる椅子。

 外が荒れ果てているため少しマシに思えた風景に安堵する。

「何か淹れましょう」

淡々と話す彼女は会った時から変わらずで、そこにもなぜか安心できた。

「水があれば、」

僕の言葉に軽く頷くと、カウンターの一部を押し上げて内側へ入っていく。流れでついてきて、彼女のある意味犯罪的行為に何も言う権利がないような気がして、黙って見つめていた。

 外にはあれだけの瓦礫が積まれていて、ここが本当に僕がいた街なのか。何がどうして今、彼女と一緒にいるのか、浮かんでくるものは単語でしかなく、それをまとめようにも頭の中と気持ちが目の前のことについて考えるのをやめてしまった。頭が少しズキリとする。







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