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世界初の堕落した魔王になってやる  作者: チョビ髭
ベル王国反乱編
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流された結果

 ステファンに連れられて庭の中央、石で舗装された場所に移動した。


 「博文殿、こちらの模擬剣をお使いください。」


 ステファンから模擬剣(木刀)を受け取り、石で舗装された場所の中央に向かった。


 対戦する人物は、髪は金色で短髪、身長はやや低く170前後ぐらい、スタイルはかなり良く、グレンに負けないぐらいのイケメン。ランド・バートとゆう有望な騎士らしい。

 正直、模擬戦をしても俺に負ける要素が1つもないため、鑑定で相手の情報をさぐることはしなかった。

 レベルでは団長に遠く及ばないのだがステータスでは遥かに団長を凌駕していた。


 両者が中央で向き合い構えると、団長から開始の合図の声がした。


 さてどうしようか、っと考えていると、ランドから声をかけられる。


 「よろしくお願いします。」


 なんだかいい奴っぽい。

 しかし勘違いだった。次にかけられた言葉が・・・・


 「正直、雑魚と模擬戦って言われてもどのくらい手加減すればわからないんですよ。姫様の客人みたいですので、こちらから攻撃はしないで上げますから適当に攻撃してきていいですよ。」

 

 口の端を吊り上げ笑いながら言ってきた。

 (よし、一撃で終わらそう。)


 そう思い、瞬時にランドの懐まで移動する。

 本気で移動したわけではないが、周りからすれば俺が消えて、ランドの懐にいきなり現れたように見えたらしく、観戦している騎士団員、エヴァは目を見開き驚いている。しかしこれだけでは終わらなかった。


 俺は最大限に力を抜き優しく模擬剣を横からランドの横腹に振りぬく。

 ほんとに優しくしたつもりなのだ。結果は・・・


 ランドが飛ばされ近くの木まで吹き飛んだ。


 さすがに誰も反応できないでいる。俺もだ。

 まさか軽く振っただけで、人が飛んでいくと思うわけがない。

 

 全員が唖然としている中、一番最初に立ち直った団長から「そこまで!」と終わりの合図があった。

 俺は一刻も早くこの場から逃げたくエヴァの元に足早に移動しどこかに去ろうと考えたが、そこは団長ステファンに邪魔された。


 「博文殿、もしよければ私とも手合せ願えないでしょうか」


 まさかの模擬戦の依頼だったが、まさかの人物が断りをいれた。エヴァだ。


 「博文も今日は疲れておろう、またの機会にじゃ」

 「かしこまりました姫様、では博文殿、またお時間がありましたら是非こちらにも遊びに来てください。」

  

 まさかのエヴァに助けられた。

 そうして俺とエヴァはその場を後にし、エヴァの部屋に向かった。

 部屋につくとエヴァはそのままソファーに座り俺に隣に座るように指示をする。その指示に従い隣に座ると、エヴァから話しかけられた。


 「博文はどこかの騎士であったのか。」

 「いえ、どこかの国についたこともありませんので。この世界の情勢や国についても全くと言っていいほど知識もございません。」


 そうここに来てからベル王国以外の国についても世界の情勢についても何も分からない状態なのだ。


 「そうじゃったか、ここに来る前は何をしておったのじゃ。」


 ん~、どう答えればいいのか。正直に言っても伝わるかどうか、むしろ変人として思われる可能性のほうが高いと思う。答えに困り戸惑っていた。


 「まあよい、なら一応国についてぐらいは教えておこう。」

 

 エヴァから国について教えてもらった。

 エヴァ曰く、この世界には国と呼ばれるものが5つある。

 ラカタ王国を中心に、北にベル王国、東にアルパン王国、西にバール王国、南にガゼイン王国、そしてその他にも各種族の小さな集落や町なのがあるみたいだ、そして各国には同盟を結んでいる国や敵対(戦争)をしている国があるらしい。

 ここベル王国は東のアルパン王国と同盟を結び、西のバール王国、南のガゼイン王国が同盟を結び、中央のラカタ王国は孤立しどことも同盟を結んでいないのだと。そして同盟を結んでない国と度々戦争をしているみたいだ。


 しかしラカタ王国とはどことも戦争などしないらしく中立的な立場みたいだ。しかも驚くことに、このラカタ王国は天空都市なんだと。

 夢だ、天空都市、空に浮かぶ島、そんなロマンが詰まっていそうな場所には是非行ってみたい。


 あと、各王国の王族についてだ、ベル王国、アルパン王国は、人間族が支配。

 バール王国はエルフ、ガゼイン王国は亜人が支配。(ただその王国内にも人間族は普通に生活しているみたいで、エヴァ曰く各王国に忠誠を誓い契約の儀をしたもので、商人や騎士、さらには貴族までいるらしい。ベル王国でもエルフや亜人、ドワーフが奴隷以外でも契約の儀を行った商人や騎士などがいるとのこと。)

 ラカタ王国だけは各種族が王位に着いており四人の王の元支配されているみたいだ。


 そして各王国の王の名は。


 アルパイン王国、ガジル・バーン・アルパイン(人間族)男

 バール王国、  アルヴァン・バール(エルフ族)男

 ガゼイン王国、 アルファ・ガゼイン(ライオン、亜人族)男

 (ガゼイン王国、やはり百獣の王ライオンか。)

 ラカタ王国、  グラン・ラカタ(人間)男

         セシル・ラカタ(エルフ族)女

         ブレイン・ラカタ(竜亜人)男

         ミラ・ラカタ(ドワーフ)女


 こういった感じだ。しかし竜亜人とは、かなり見てみたい、とゆうか憧れる。

 竜亜人がいるということはもちろん本物の竜もいるだろう、そのことについても聞いてみた。


 竜はこの世界では最強のモンスターで群れなどでは行動することなく、単体もしくは5以下で行動をする。竜の種類としては、火竜、水竜、土竜、雷竜の4種類と伝説の光竜、闇竜が存在する。


 この世界はロマンで埋め尽くされている、一人妄想しているのだが、一つ疑問があった。


 「ベル王国の王は?」

 

 そうここにきてベル王国の王とはまだ会ってもいない、しかも名前すらきいていないのだ。

 するとエヴァは顔を伏せながら言った。


 「童じゃ。」

 ・・・・・・・・・・えっ、17歳のこの子!!!!

 エヴァは続ける。

  

 「父上は先月の戦いでお亡くなりになられた、母上は童を生んでそのまま亡くなられたのじゃ。しかし王とは言っても仮じゃ。ベル王国では王位に着けるのは男と決まっておる。なので仮で童が王位に着き、童と婚約した相手を正式な王にするのじゃ。」

 「ならアルパイン王国の王族から婿をおとりになられるのですか。」

 「いや、他国から婿を取ることはせん。」

 

 なんだか察しがついて、嫌な流れな気がする。人間の俺を法律を犯してまで買いそばに置く、しかも先ほど’一目惚れ’など訳の分からないことを言われたのだ、察しがつかないほうがおかしい。

 流れを変えようと話題を変えようとするのだが無駄な努力に終わる。


 「博文よ、童の婿にむかい入れる、光栄に思え。」


 やっぱりこうなるのか・・・・しかも拒否権も無いようだ。

 しかし俺は種族を人間と偽っており、さすがに結婚相手になるかもしれないのに誤魔化すのは気がひける。それに結婚って、まだまだ色々と遊びたい俺には地獄の響きに聞こえた。

 拒否権が無いようだが、さすがに流されて結婚は遠慮したいと思いこの際、種族についても俺の考えについても正直に話をしようと決めた。それでここを追い出されてもしょうがないと思おうと。


 「エヴァ様、実は私の言葉には嘘がございます。」

 「なんじゃ、申してみよ。」

 飯、風呂が無くなるのか~・・・まぁしょうがないか、覚悟を決めた。

 「実をいうと私は人間族ではないのです。聞いたことがないかもしれませんが魔族なのです。それに私はまだ他の女性、人間族だけではなく、エルフ族や亜人、ドワーフの女性と遊んでみたいのです。」


 言ってやった。種族のことも、俺の願望についてもだ。

 さてどんな反応が返ってくるか、少し怖いのだが俺の予想を斜め上の、そう以外すぎる答えが返ってきた。まぁエヴァらしいと言えばらしいのだが・・・


 「そうなのか、童は構わないぞ。種族は聞いたこともないが、見た目は人間族だしよかろう。それにほかの女性と遊びたい事も、童を1番に思ってくれさえすれば、他の女と遊ぼうとも、そんな気の小さな童ではない。種族が違えば童だけで博文の性欲をみたすことが難しいかもしれんしの。ここに帰り童を愛してくれさえすれば問題ない。なら婚姻は結ばれたということじゃな。」


 えっ・・・・・・意外な言葉で驚き過ぎて俺はまさかの答えをしてしまった。


 「はい。」


 OKを出してしまった。

 自分でも何言ってるんだ!!と自分を怒ってやりたいが、ここでも流されるままに人生が動いていってしまった・・・・・・・まぁ他の女性と遊ぶことに関しては譲歩してもらえたのだが。


 そして、流されるままに魔族で王様、魔王への人生をスタートするきっかけとなったのだ。

 

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