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世界初の堕落した魔王になってやる  作者: チョビ髭
アルパイン王国編
18/62

新王誕生、各国の反応

第二章開幕です。

 アルパイン王国、ガジル・バーン・アルパイン国王は伝令を受け取り読んでいた。

 伝令には、同盟国のベル王国にてエヴァとバッカスの婚姻、そして新国王誕生、近々アルパイン王国にあいさつに行くと書かれていた。

 それを見たガジルは苦虫を噛んだような顔になる。そして伝令の紙をクシャクシャにし持ってきた相手に投げつけた。


 「ベル王国に新たな王だと。ふざけるな!!」


 ガジルは怒鳴り声を上げた。彼にとって新国王が邪魔なのだ。

 彼には計画があった。その為に色々と手を回し、その計画を進めてきたのだから。

 しかも計画はほとんど最終段階まで進められていた。

 ガジルは怒りで顔を歪ませながら一人の人物を呼んだ。


 王室の扉が開けられ入ってくる人物。見た目は小柄だが何か怪しげな雰囲気を漂わせている。


 「おーカイン。ベル王国で新国王が誕生したのは聞いておるか」

 ガジルは部屋に入ってきたカインに伝令の事を聞くと「はい」と少し小さめの声で答えた。ガジルは話を続ける。


 「我の計画がこれでは実行できん。お前はどう考える」

 「伝令には此方の国に来ると書かれていたとお聞きしましたが」

 「書かれておった。あいさつに来るとな。我の計画も知らぬ愚かな者が、殺してしまいたいわ」

 ガジルから更なる怒りが込み上げてくると。

 「では陛下、殺してしまはれるのが宜しいかと」

 「しかしあからさまな行動を執ってしまえば・・・それこそ計画が崩壊してしまうではないか」


 カインは少し沈黙すると。

 

 「その際はアレを使われては如何でしょう」

 「それはならん!! アレを使う訳にはいかん」

 「そうでしょうか? エヴァ様を手に入れればその後の事はどうにかなるかと」

 カインは少し口元を吊り上げた。

 「何か良い策があると申すか?」

 「一つございます。そちらを行えば計画に支障も無いかと」


 ガジルは目の前のカインを見据え考える。今までの計画はカインが提案したもの、そのほとんどが順調に進んでいる。この男を信用するに値する男だとバジルは思っている。しかし一国の王を手打ちにすれば、それはベル王国との同盟が破綻、最悪はベル王国の民達の反乱に繋がってしまうと考える。


 考え込むガジルにカインが話しかけた。


 「ガジル陛下。陛下が悩むのも分かりますが・・・ここで後手に回れば計画も白紙の物となってしまいます。この後の計画も僭越ながら私目が思考いたしますゆえ、ご決断を」


 カインの言葉を聞いたガジルは一瞬目を閉じるが、すぐに決意する。そしてカインの元、計画は実行することとなる。





 バール王国王室、大きな丸テーブルには二人の人物が座り、二人の後ろにはそれぞれ三人の騎士風な者が立っている。

 テーブルに座る二人の顔は何やら険しい表情。

 緑の長い髪を後ろに一つに束ね、鋭い眼光を放つ人物が口を開く。


 「アルファ殿、ベル王国の事は知っていますね」

 「無論じゃ。アルヴァン殿は今後の事どう考える」

 金色の紙のアルファが少し困った様子でアルヴァン、バール王国の王に尋ねた。


 「こうなっては致し方ないと思います。今攻め込むのは軽率だと思いますね」


 バール王国とガゼイン王国では、統率者を失っていたベル王国に戦争を仕掛ける計画を前からしていた。しかし、新国王が誕生し統率のとれたと伝令を受け取り、今戦争を仕掛けては此方も犠牲者が増えると考えた。しかしもう一つ疑念があった・・・アルヴァンがその疑念を口にする。


 「ベル王国の国王もそうだが・・・アルパイン王国が何やら不穏な動きがあると報告を受けている」

 アルパイン王国での不穏な動き。ガジル国王が何をするのか分からないが、近々何かが起こるような予感がしていた。

 「俺も部下からの報告で聞いておる。しかし目的が不明じゃ。しかしあのガジルだけの計画とも思えんが・・・」

 「誰かが裏で糸を引いていると?」

 「分からん。俺の勘なだけじゃが・・・何か胸騒ぎがするのじゃ」

 今までにその勘に助けられたことは少なくない為、アルファ国王の言った言葉はかなり信用できる。

 「アルファ殿の勘か・・・正直怖いな」

 アルヴァンは苦笑いをしてしまった。

 「とりあえず今はベル王国よりもアルパイン王国に目を向けるほうが良さそうじゃな」


 アルヴァンはアルファの言葉に頷き、アルパイン王国に警戒することに決まった。





 ラカタ王国では、他の国とは少し違った話し合いが行われていた。


 「ベル王国国王バッカスか。どう思う?」

 頭に鋭い角を生やし鋭い赤い目をしたブレインが他の三人に問いかけた。


 「まぁ大方皆さんが考えている事で間違いないんじゃない?」

 銀髪、灰色の目をしたエルフのセシル。


 「ついにですか・・・」

 少しやる気のなさそうな、見た目は小さな少女のミラ。

 そんなやる気のなさそうなミラを見て「はぁ」とため息を吐くグラン。

 「まだ確定事項では無いがな」

 

 皆の反応を見たブレインがさらに質問をする。


 「ではもしそうならどうする」


 「その時は言い伝えの通りにするしかないんじゃない?」

 「確かにそれはセシルの言う通りだと思うが・・・どうやって確かめるんだ?」


 グランの疑問に全員黙り込んで考えると。


 「そのうち分かるんじゃない」

 「ミラはいつも通りやる気ないわね。私は誰かが一度接触してみるのがいいと思うわ」

 「まぁミラがやる気が無いのはいつもの事だ。俺もセレナの意見に賛成だ」

 「ミラがやる気を出したほうがむしろ怖いか。ワシもセレナに賛成だが、誰が行く?」


 ブレインの言葉には誰も反応しなかった。むしろ皆ブレインから目を背ける。

 ブレインは ”はぁ” とため息を吐き「ならワシが行く者を決めてよいのだな?」と問いかける・・・その言葉をきっかけに醜い譲り合いが始まった。

 提案した本人が行けよ、いつもやる気ないんだから行きなさいよ、グレン秘密バラすよ・・・

 ちなみに、ブレインはラカタ王国の筆頭国王なので王国から一人で出る事は出来ない為、この譲り合い? に参加しない。


 しかし最後にグランの言葉で心を変える人物が現れた。


 「バッカスはかなり強いんだぞ!!」

 グランはバッカスを見たことないが・・・その言葉に反応する人物が一人いた。


 「なっ、そんな事グランが知っているはずないじゃない」

 セシルは興味なさそうに言葉にするが・・・顔から興味津々とすぐ分かってしまう。


 「いや、俺には分かるね。確かにバッカスには会った事もないが、此処にいても彼の放つ存在感を感じる」

 嘘だ。存在感など欠片も感じない。しかし反論されても切り札がまだある。

 グレンは笑みを零しながらセシルを見た。


 「そんなの私は感じないわ。口から出まかせ言わないで」


 やはりそう来たか。

 

 「嘘かどうかは説明できないけどな。でももしそれが本当だったら? まぁいいや。ミラ行ってみる?」

 グレンはニヤケタ顔をしながらミラを見た。

 ミラはグレンの考えを察し・・・


 「えっいいの? バッカスってすごい強いかもなんだよね? 行く行く~」


 ミラは笑顔で・・・しかしその眼はセレナを見ながら言った。すると・・・


 「コホン。これは私の提案ですし、私が行ったほうが良いかもしれませんね・・・」

 しょうがないと、しかし顔は嬉しそうにセレナが行く事になった。


 グレンとミラは笑いながら顔を見合わせ、「どうぞどうぞ」とセレナに譲った。


 そんな様子を呆れながら見ていたブレインだったが、ここで会った後どうするか少し細かく決めていたった。

 その後バッカスに災難な出来事が起こるのだが・・・それはまた後日に・・・そんなに先ではないのでお気をつけて・・・・・・・・・。





 ベル王国では、そんな各国の話など露知らず、バッカス本人は勉強の合間にストレス発散として一人森に出ていた。

 その後に起こる出来事も知らずに・・・・・・。

 アーメン


第二章いきなり物語を書くのに詰ってしまいました・・・おかしな点ありましたら教えてください。

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