新国家へ
その後俺達は食堂に向かった。いつまでも団長への悲しみに浸っている暇はなかった。
新国家の体制など色々とやることがある。なので話し合いと食事を一緒にすることにした。ちなみに料理はセレナが作っている。
「まずは、新国家だが名前はベルのままで良いかと思います」
ジハードの発言には、全員納得し頷く。
続くエヴァの発言だが・・・一番頭を悩ませる問題だった。
「名前はそれで良いが、国を守る騎士団、財政を調整する貴族、その他諸々をどうするのじゃ?」
しばらく沈黙が続いた。俺も何も考えが無かった。(貴族も騎士も全て殺してしまったのはやりすぎっだたか?)
するとセレナが料理を持ってきながら発言した。しかも驚愕な。
「それならバッカス様が何とかできるかと。私と同様の者を数名お作りいただければよろしいと考えます。それから城の清掃など雑用には奴隷を使ってはどうでしょうか」
全員唖然としている。最後の言葉は分かるのだが、最初のバッカス、俺がセレナを作ったと知ったからだ。俺はエヴァにも、セレナの事は町で知り合ったと説明していた。まさかの暴露だった。
それからは席に着く者全員が俺に説明を求めた。しょうがないので簡単に説明することに。
「あーなんだ、俺の特殊スキルってのがあってだな、それで従者作成ができるんだよ」
・・・・・・・。はぁ~。
まぁ、当たり前の反応だよな? 人間、生き物の作成ができるなんて普通は信じられないよ。
さらに説明を求めてきたので少し詳しく説明した。
作成できる従者に限りがある事、見た目、性格が決められるという事など。
しかし説明だけでは分からないとエヴァが言いだし「一人作ってみよ」と言い出した。とりあえずは俺の好きなようにとゆう事なので一人作成することに。
従者作成、心の中でそう唱える。
名前、年齢、性別、種族、身長、性格、戦闘スタイル。それらを頭の中で設定した。
名前
クレア・ローラス 年齢18歳 性別 女 種族 猫亜人 身長 155センチ 性格 優しい 戦闘スタイル 暗殺者
すべての設定を終えると次に身なりの設定、スタイルなどを想像し設定した。
設定し終わるとセレナの時と同様、目の前に光が集まり人の形に光が集約され、俺が思い描いた顔、スタイルの猫耳っ子が立っていた。猫亜人はすぐに片膝を地面に着き頭を下げる。
クレアの見た目は、髪の毛は青のショートヘアー、頭には可愛らしい耳がチョコンと出ている、目の色も青く、顔は少し幼さを感じるかわいい顔つき、服はメイド服で設定した。
全員、席から立ち上がり驚いているが、クレアが顔を上げ、可愛らしく「よろしくお願いします、ご主人様」と言った瞬間にエヴァがジト目で俺を見てきた。
「なるほど。バッカスはこうゆうのが趣味というわけじゃな」
俺は目を見開きエヴァを見た、そして周りを見るが皆同じような目でこちらを見ていた。しかし一人だけ、なぜか共感したようにこちらを見てくる。ジハードだった・・・
とりあえずジハードは置いておきエヴァに言い訳するが・・・「いいのじゃよ、今度そうゆうプレイもありじゃな」とニヤケながら訳の分からない事を言い出している。
そんな無駄なやり取りをしていると、グレンが話を戻そうと咳払いをし、全員の注目を集め話を切り出した。
「バッカス様が人を作れることは分かりました。先ほどの説明ですと後三名お作りすることができるという事でしたが、よろしかったでしょうか?」
エヴァとのやり取りを終えた俺は、「そうだ」と一言で返した。
「では残りの三名のうち、一人の性別は男として作ってもらえませんか」
俺は驚いた。五人しか作成できない貴重なスキル。
五人全員を女の子で作りハーレムを築こうと考えていたが、そんな事説明できるはずもなく、とりあえず、何故男で作る必要があるのか尋ねた。しかしもっともな、反論できそうもない答えが返ってくる・・・
「城、姫様、バッカス様には、執事が必要です。町で探すのも時間がかかりますし、忠誠心も弱いと考えます。なのでバッカス様に作ってもらったほうが時間もかかりませんし、忠誠心も厚いと思います」
んー。納得するしかない。しょうがないと思い了承しようかと思ったその時、いい事を思いついてしまった!!! なので・・・
「分かったよ。なら今から作るとしよう」
そう言うとすぐに作成に取り掛かった。
名前
レイ・ローラス 年齢18歳 性別 ””女”” 種族 人間種 身長 170センチ 性格 しっかり者の男っぽい 戦闘スタイル モンク
すべての設定を終えると次に身なりの設定、スタイルなどを想像し設定した。
目の前に光が集まり人の形に光が集約され、またもや俺が思い描いた顔、スタイルの見た目男性の姿が片膝を地面に着き頭を下げる。
そう全て俺が決められるのだ。なら男と間違われてもしょうがない見た目にすればいい。胸だって小さくてもいい。女であれば。
レイの見た目は、黒髪ショート、目も黒く、顔だちはかなりの美男子。スタイルも良く胸は無いように見えるが、実は想像で晒し布を巻いて誤魔化している。服装は城にいた執事と同じ格好にしている。
レイが女だとは誰も気がつかづ・・・エヴァがこっちを見ている気がするが・・・気がついてないよな? エヴァの顔が怖いが・・・一応問題なしとしておこう。
メイドなどはセレナが提案した奴隷を使うことで話が進んだ。そしてメイド長にはセレナが、副長にはクレアがなることになった。
騎士団のほうは、グレンが団長に就任することに。しかし副団長をどうするか・・・また嫌な予感が・・・
「バッカス様、騎士団と貴族に一人づつ当てて貰えないでしょうか」
やっぱりかーーーーーーー!!!!
貴族はいいかもしれないが・・・騎士団に入れるとなるとさすがに、男に見える女の子を作っては分かってしまう気がした。
困っていると、予想外の言葉をグレンが口にした。
「騎士団は何も、男以外禁止とはなっていませんよ」
「なに!! そうなのか!!」
ならば何の問題もなかろう。さっさと作ってしまおうと行動した。
一人は、エレナ・ローラス。騎士団副団長、金髪のロングストレート、身長はやや高く175センチ、顔は少しきつめの顔だが絶世の美女には間違いなく、顔から想像できるよう性格はかなりきつめ、戦闘スタイルは剣士、種族はエルフ。
もう一人は、モエ・ローラス。貴族、銀髪のセミロング、身長は160センチ、目がたれ目の可愛い女の子、性格は顔に似合わずしっかり者、(ギャップ萌だ!)戦闘スタイルは僧侶(回復担当)種族はドワーフ。
これで俺の従者作成スキルの限界数が終了した。残りの貴族、騎士団員は民から募集するそうだ。
てか貴族まで民から募集っていいのか? と思ったがいいそうだ。
すべての作成を終えると俺は一つ説明した。
「とりあえず作成は終わったが、生まれたては能力もそんなには高くない。なので森などでの訓練をする必要がある事だけ頭に入れといてくれ」
セレナもそうだったが、さすがにいきなり強いなどと、そんな都合の良い事はないのだ。しかし知識は素晴らしいものがある。ジハードは自分の部下に当るモエと少し話をしているが、モエの知識力に驚愕している。
更に話を進める。
重要なことをエヴァが口にする。
「ならば、次にしなくてはならないのが、童とバッカスの婚姻の誓じゃな」
「そうですな。誓はすぐされたほうがいいでしょう」
エヴァとジハードが二人で話をどんどん進めていくと。飯を食べている俺をほぼ無理やり部屋から連れ出し、そしてそれに続くよう、食事をしている者も食事を中断し、神殿へと向かった。
初めて入った神殿は、少し神秘的な感じがした。中の雰囲気は教会に近いのもがあり、神殿の中央には女神を模った少し大きめの水晶が置かれていた。その水晶の前で誓を立てるらしい。
しかしこの水晶でできた女神、なんだか見たことがあるような・・・
そんな事を考えているうちに、誓の儀式が始まった。
王位の誓。俺とエヴァ、二人が水晶の前に立ち、手をつなぐ。そして口づけ、その際に相手の唇を少し噛み血を交換する。これで儀式終了みたいだ。なんだかあっけなく終わった感じが・・・
すると突然、頭の中で声が聞こえてきた。
「やっと一つの国の長になれたか。」
ん? なんだか聞き覚えのある声なんだが・・・目を閉じるとうっすらと女性の姿が見える・・・
俺は思わず声に出してしまった・・・
あれ? なんで??
近日中に、新しい従者のステータスを投稿したいと思います。