イラスト部 新入部員へイラスト部ルールの説明
イラスト部ルールその弐 お菓子を食べるなら部室でばれないように〈特に先生には〉
「つーかその前に学校にお菓子を持ってくんじゃねえ!!」
「あの…イラスト部のルールって何ですか?」
木村先輩のさっきの言葉に疑問を感じたらしく、首をひねりながら質問をしてくる。
「いや、その前に敬語じゃなくていいのよ」
やっぱりそこが気になるのか……この先輩は。すると、もう一人の1年が首を横に振って答えた。
「なつきは、なかよくなってもけいごだよ」
「そうなの?」
二人は揃って首を縦に振る。
基本ずっと敬語のようだ。誰かさんにも見習ってほしいもんだな。その誰かさんの方を見つめる。
「光君…何でそんなに見つめるのっ?……ハッ!このおやつはあげないからねっ!!」
と別次元の方向の心配をする。
「いらねぇ!!っていうか何でまたお菓子持ってきてんだ!!」
「だって(イラスト部の)ルールに書いてあるもんっ」
もちろんお菓子を学校に持ってきてはいけない……訳だが。こいつは……いやこいつらはそれを無視して持ってくる。だいたいルールに書くなよ。お前らはどこぞのヤンキーか。
「…………凄く…………やることが小さいヤンキーだね」
「だから何であんたは心読んだ発言をするんだぁぁぁぁ!!」
フッと小さく笑われた。何なんだよ。
「ハーレムですね」
「だね」
おい、一年生二人何処でそう思ったんだよ、思うとこなんて何処にもなかっただろうが。第一ここは俺のハーレムじゃねえし。
「さて、ええっと……イラスト部のルールだったよね」
一年生は二人揃って頷く。どこまで気になるんだよ。
「って前ふりしたけどね、そこまでのものでも無いわ。適当に思いついたものを書いていってるだけだから。
イラスト部のルールは日々進化を続けているのよ!!」
そんな進化いらねぇ……
「…………守らなくても構わないけど…………出来ることなら読んでおいて。…………一週間に一回程度でいいから」
「大丈夫だよっ。ふと気になった時に読むだけでいいからねっ。そんな特別なことも何も書いてないからさ!」
そう言えば俺どれくらい読んでないんだろ。
ふと気になってルールを貼っている壁を見る。
前に見たときよりも、ものすごく長くなっていた。
……何でこんなに長くなってんだよ。
一人静かにため息をついた。