表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
④断罪のゆりかご ~継承される地獄~  作者: MCdragon


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/16

第八章:一真の宣告

翌朝、小春が家を出ようと荷物をまとめていると、リビングで一真が待っていた。

彼の前には、小春が大学で密かに付き合っていた恋人の写真と、その身辺調査書が並べられていた。


「姉さん、東京に帰るのは勝手だけど、この『彼』には気をつけた方がいい。僕の許可なく、秋山家の血を分けた姉さんに触れる男は、社会的に抹殺される運命にあるから」


一真の声は穏やかだったが、その背後には逃れられない暴威が潜んでいた。


「あんた、狂ってる…。じいじと同じことをしてるのよ!」


「同じ? 心外だな。僕は康夫のように『脅し』てはいない。ママを見てごらん。彼女は、僕に愛されることを望んでいる。僕が与える刺激と、僕が与える安らぎ。それだけが、彼女の生きる理由だ」


一真は一歩、小春に詰め寄った。


「姉さんも、ここに残ればいい。パパはもう使い物にならないけど、姉さんなら、僕の『王国』の良き理解者になれるはずだ」


小春は一真の頬を力一杯叩いた。

乾いた音が響き、一真の顔が横を向く。

しかし、彼は怒るどころか、愉悦に満ちた笑みを浮かべて口端を拭った。


「いい刺激だ。…でも、姉さんの居場所は、もうここにはないよ。行っていい。ただし、二度とこの家の敷居を跨がないこと。もしママに連絡しようとしたり、誰かに相談したりすれば…パパの人生も、君の恋人の未来も、一晩で消える」


小春は、涙を流しながら家を飛び出した。

海岸線を走るタクシーの窓から見えたのは、バルコニーに立ち、人形のように動かない母を背後から抱きしめ、勝ち誇ったように海を眺める弟の姿だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ