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④断罪のゆりかご ~継承される地獄~  作者: MCdragon


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第七章:小春の帰還

この歪んだ均衡を破ったのは、家を出て東京の大学に通っていた長女、小春だった。

二十歳になった小春は、長期休暇を利用して、突然連絡もなしに海辺の家を訪れた。


「ただいま! パパ、ママ!」


玄関に響く明るい声。

しかし、小春がリビングに足を踏み入れた瞬間、その笑顔は凍りついた。

そこには、母親の腰に手を回し、まるで恋人のように耳元で囁く弟、一真の姿があった。

そして、部屋の隅で影のように怯える父、修。


「…何、これ。どういうこと?」


小春の問いに、一真は余裕の笑みを浮かべて立ち上がった。


「お帰り、小春姉さん。久しぶりだね。大学の勉強はどうだい?」

「一真、その手…ママから離して。パパ、何で黙ってるの!?」


小春は、家族の中に流れる異様な空気に吐き気を覚えた。

彼女が知っていた、弱々しいながらも「普通」であろうとしていた家族は、そこにはなかった。

その夜、小春は瑠美の部屋に忍び込んだ。


「ママ、逃げよう。一真もパパもおかしい。私がバイトして貯めたお金があるから、一緒に東京へ…」


瑠美は小春の手を握りしめた。その手は氷のように冷たかった。


「だめよ、小春。一真は…あの子は、康夫さんよりもずっと恐ろしいの。逃げても、すぐに見つかってしまうわ。それに、私はもう…あの子なしでは…」


瑠美の瞳に宿った、快楽と支配への依存の色。

小春は、母親がすでに精神の根底から破壊されていることを悟り、絶望した。

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