第十四章:支配への帰依
小春の瞳からは、戦う者の光が完全に消え去っていた。
彼女を支えていたのは一真への憎しみだったが、その憎しみさえも、一真が「与えていたもの」に過ぎないと知った瞬間、彼女の心は音を立てて崩壊した。
孤独、恐怖、そして自分を裏切った世界への絶望。
それらを癒やしてくれるのは、自分を最も深く傷つけた張本人である一真の、残酷なまでの強さだけだった。
「…一真。……して、くだ…さい…」
小春は、一真の足元に縋り付いた。
それは、かつて瑠美が一真に示した「完全な敗北」の姿勢そのものだった。
一真は彼女の首に手を回し、鎖のように強く締め上げながら自分の膝の上に引き上げた。
抵抗する力はもう小春には残っていない。
しかし、その後に待っていたのは、さらなる地獄だった。
一真は小春を別室へと連れていき、そこで待っていた父・修を呼び寄せた。
「家族は皆、絆を深めないといけないよね。パパ、あなたの『誠意』を見せてもらいましょう」
一真の冷徹な声が室内に響き、彼は、父親に強制を促すような眼で見つめていた。
修は、蛇に睨まれた蛙のように立ち尽くしていたが、観念したかのように、震える手で娘の体に触れ始めた。
修の心は嵐のように乱れていた。
かつては家族の平穏を願い、不都合な真実からは無関心を装って逃げてきた男だった。
だが今は、一真の冷たい瞳に射抜かれ、逃げ場を完全に失っていた。
(これは…間違っている。自分の娘だ。こんなことが許されるはずがない…!)
理性が激しく警鐘を鳴らす。
しかし、娘の柔らかな肌に触れる指先が震えるのは、罪悪感からだけではなかった。
長い間、妻である瑠美に対しても距離を置いてきた彼にとって、若く瑞々しい娘の肉体は、一真の支配という「免罪符」の下で差し出された禁断の果実だった。
「ひっ、あ、あ…っ」
小春の口から短い悲鳴が漏れる。
父の節くれだった指が、自分の衣服を剥ぎ取り、直接肌に触れる。
その生理的な嫌悪感に、小春の心は激しく拒絶反応を示した。
(いやっ、お父さん、やめて…!汚らわしい、触らないで…!)
叫びたいのに、喉が引き攣れて声にならない。
一真に見つめられているという極限の緊張状態が、小春の感覚を異常なまでに鋭敏にさせていた。
「これを拒めば、家族全員が壊される」
という修の恐怖は、いつしか歪んだ使命感へと変質していく。
息を荒くした修が、娘の白い肌に唇を這わせ、硬直して尖った胸の先端を口に含んで吸い上げた。
実の父親に、触れられてはいけない部分に触れられた衝撃に、小春は必至に耐えていた。
彼女は首を激しく振り、必死に意識を逸らそうとする。
しかし、脳が抱く「汚らわしい」という嫌悪感とは裏腹に、父の執拗なまでの娘の肌への執着は、皮肉にも彼女の体に強制的な快楽を呼び起こしていった。
自分の意志とは無関係に、熱が下腹部に集まっていく。
拒んでいるはずの腰が、父の舌の動きに合わせて上下に跳ねてしまう。
「小春…ごめん、許してくれ…」
修の言い訳じみた囁きが耳に届く。
彼は、自分の行為に吐き気が込み上げるのを感じながらも、娘の甘い声が響くたび、抑えきれない昂ぶりを覚えていた。
これは屈辱だ、自己嫌悪だ。そう思いながらも、一真という絶対的な支配者の下で、あらゆるモラルをかなぐり捨てて「獣」になることに、修は底知れない解放感を見出していた。
一真は傍らでその様子を冷然と見守り、修に命じて娘の太ももを割り開かせた。
露わになった秘部は、小春の絶望を裏切るように、すでに淫らに濡れ光っていた。
「嫌…見ないで…だめ、見ないで…っ!」
小春は涙を流しながら懇願する。
だが、修の指は吸い込まれるようにそこへ侵入し、粘膜を容赦なくかき回すと、彼女の思考は真っ白に染まった。
自分の父親によって、自分の中の最も恥ずべき部分が暴かれ、弄ばれる。
その究極の背徳感が、小春の防衛本能を粉々に破壊した。
修の理性も、若い肌の前に完全に崩壊しており、欲望の赴くままに、目の前にある禁断の果実を貪り続けた。
「…お…父…さん、私、娘…なのに…」
修は、娘のその言葉を意に介することもなく、ついに娘の内部へとゆっくりと、だが力任せに押し入った。
「あ、あああああぁぁっ!」
小春の叫びは、苦痛と、そして認めたくないほどの強い衝撃によってかき消された。
父の重み、父の匂い、父の脈動。
それらすべてが小春を侵食していく。
体は勝手に父の動きに応じ、逃げようとする心を置き去りにして、熱い充足を求めて喉を鳴らす。
修の動きは、次第に野卑な激しさを増していった。
娘を深く貫きながら、彼は自分を縛っていた「父親」という鎖が、一真の手によって断ち切られたのを感じていた。
一真の冷たい笑みが部屋に響く中、小春は父との交わりを通じて、家族の絆という聖域が、完全に一真の支配色に塗り替えられるのを肌で感じていた。
(ああ…もう、戻れない…)
小春は、自分を抱く父の背中に爪を立て、絶頂へと突き落とされた。
この究極の屈辱と、それを快楽として受け入れてしまった肉体の裏切りが、彼女の心を一真という名の深淵へと、より深く、永劫に縛りつけた。




