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薄雪草を抱く  作者: 紀野光
七福神

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七福神7

 食後のデザートに寿老人の桃汁を飲むころには祥子は元気になりケロッとしていた。


「おいしい」


 木製のカップに注がれた桃汁は鼻を近づけるだけでその甘さがわかった。一口、口に含む。五十度程度のとろみのある桃汁は冷えた体に染みた。


 桃汁提供所は大黒天の食卓から少し離れた果樹園の隣の小屋にあった。


「寿老人さんが今年の桃の出来は最高だと仰っていましたよ」


 鹿屋野比売神は先ほどと全く同じ会話を繰り返した。それを受けて祥子は初めて聞いたというような反応をする。


「あら、そうなのね。やっぱりジュースは百パーセントがいいわ」


 春香はなにもおかしいところはないと振る舞う。


 桃汁には果汁のほかに果実もゴロゴロ入っていて、飲むというより食べているようだった。春香は器の底に張り付いた果実も食べるために顔を上に向けて器の底を軽く叩いた。天之御中主神は指を使ったせいでベタベタになった人差し指を舐める。


 寿老人の桃の園は大黒天の食事処に比べると集客は落ち着いていた。天之御中主神とともに春香は何度も桃汁をおかわりする。金魚すくいの時からお金を払わずにその場を立ち去るのには抵抗があったが、それは三件目になっても慣れない。それでも春香は所持金ゼロ、財布未所持で堂々と飲食する。


 春香が五度目のおかわり分を飲み終えた時、鹿屋野比売神は立ち上がった。


「それではわたしは準備に向かいます」


「もう行くの? 少し早いんじゃないかしら」


「演目が前倒しになっていて遅れてしまったら、天照さんが悲しみますので」


「それもそうだね。それじゃあ僕らも行こうか」


 天之御中主神は十杯目を一気に飲み干した。


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