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綿津見神3
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「稲荷、僕が言っていることはわかるよね」
「人間にちょっかい出すなって言いたいんでしょ」
「無闇に誰かを傷つけるなって言っているんだよ」
「次の現人神がどんなのか見に行っただけじゃない。それでおしゃべりをしただけ」
「おしゃべり、だけで済まなかっただろう」
「あれは天照が悪いんじゃない。騒ぎ立てたのは天照大御神のほう。私はなんにもしていな
いわ」
「本当にそう思ってるの?」
「…」
「前回もそうだ。祥子さんに突っかかって問題を起こした」
「祥子…? ああ、伊邪那美のことね」
「これで何度目だとおもう」
「さあ、何度目だったかしら。でも、あんなガキを神にするだなんて。どうしようもなく我がないやつ。大丈夫なの?」
「たった五百年しか生きていない宇迦之御魂神が僕に口出しをするの?」
「やだ、本気にしないでよ」
「最近、あちらの動きが活発になってきたのが、君にはわかるんじゃない?」
「まあね」
「なら、問題を起こすのはこれきりにしてよね」
「…フンッ」
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