第一章、嘘つきSubはSubを知る
司「俺が...。Sub?
俺の口からは今まで出したことが無い声が出た。俺はたった今、Subと診断された。信じられ無かった。SubとかDomなんて今まで気にした事が無かったから。
医者「そうですね...。その可能性が高いと考えられます。信頼出来る相手と適度なPlayを行った方が精神も安定しますので、まずは相手を探してみてください。
司「...はい。
俺はステージに行く途中、どうしたもんか、とずっと独り言を唱えていた。
司「信頼出来る相手と適度なPlayって、Playっていわゆる性...。どわぁぁぁっ!!!そもそも、男同士でそんな事出来る訳...。
類「おや、司くん。奇遇だね。これからステージに行く所?
司「あ、あぁ!類もこれからか?(やっぱりああいう事言われたら男を意識してしまうものなんだな...。)
類「じゃあ一緒に行こうか。
司「あぁ、そうだな!
『信頼出来る相手と適度なPlayを行った方が精神も安定しますので、まずは相手を――。』
司「どわぁぁぁっ!!!
類「(ビクッ)急にどうしたんだい、司くん?
司「あ、いやなんでも無い!!気にするな!(何で俺今医者の言葉を...。)
類「司くん、着いたけど...。どうしたんだい?さっきからぼーっとしているけれど。
司「あっいや、何でも――。
類「Knnel
司「っ...?!
俺はぽすんと、その場に膝をついて倒れ込んだ。どういう事だ?何で類がコマンドを...。
司「る、類...?何だ急にどうし――。(目逸)
類「Look。
司「っ、やめっ、ろ...。
何故だ、類のコマンドに逆らえ無い。
類「司くん、Subでしょ。
一瞬、俺の心臓がドクンと跳ね上がる。何で類が知っているんだ。だってSubって診断されたのはついさっきで...。
類「分から無いとでも思ったかい?司くんが手に握っているそれ、Subの診断書だよね?今といい、司くん、君は隙だらけだよ。危なっかしくて放って置け無くなる。
司「る、類、何言って...。っち、違う!!俺はSubなんかじゃ無い!!!
類「へぇ...こんなになってるのにまだ言うんだ。...いいよ。司くんがその気なら――。Subって、分からせてあげる。
類の声がいつもより低く、冷たい声だった。――怒っている?Subって事を隠して、嘘をついたから?怖い、怖い怖い。何をされる?怖い――。
俺が心の中で戦っていると唇に何か柔らかい物があたった。
司「っ...?!っふ...、んむっ...、る、いっ、っぷはっ、類、お前何して――
類「Good。
司「っ――!
類はそう言い、俺の頭を撫でた。さっきの声とは真逆の、温かい手。俺はそれがたまらなく好きだ。
〜司宅〜
司「...何んだったんだぁぁぁぁっ!!!(大声)だぁぁ、だぁぁ、だぁぁ...。(エコー)
咲希「ちょっとお兄ちゃーん!うるさーいっ!下まで聞こえてくるよ〜っ!!
司「むっ、す、すまない!!
司「俺は...。類とキスを、した?...だぁぁぁぁっ!!!思い出すとうずうずして落ち着かん!!っは、さっき咲希にうるさいと注意されたでは無いか...。俺らしくないぞ。
咲希「お兄ちゃん、さっきからどうしたの?いつも以上にうるさ――、ってどんな格好してるのお兄ちゃん...。
司「む、咲希か。いや実はな...。
咲希「えぇ~っ?!るいさんとキスしたぁぁぁぁっ?!?!
司「さ、咲希も声がでかいぞ...!!母さん達もいるんだから...
咲希「どうしよう...。お兄ちゃんがるいさんに取られちゃう...!!(あわわ)
司「心配するところそこか?!