2話 初めてのスパチャ
配信を始めたはいいが、同時接続者数0人。そりゃそうか。突然何もなく配信を始める新人なんているはずがない。普通は、SNSとかで、下積みをしておくべきなのだ。
そういえば、配信部屋には宙に浮いた画面に、なじみのある動画配信サイトのYO!Tubeと酷似したサイトが映っている。親切なことに3画面あるため、容易に3窓ができる設計だ。
というのはどうでもよくて、カメラとマイクどこ!?
「カメラは、左側の画面の上についています。マイクは無くても、しっかり音を拾うので問題ありません」
左側の画面は暗いままなので、触れてみると、画面が起動し、カメラで映されている今の状況が分かる。
しっかりパンツが映ってしまっていたので、すぐにカメラを上に向けて、上半身しか映らないようにした。
Vtuberが、上半身しか映さないのってそういうことだったのか。
「こんにちは!!」
奇跡的にコメントが来た。
「いらっしゃい!! 初めての視聴者はあなた!! ありがとー!!」
できる限り、明るく、可愛く頑張らないと。
「最古参のあなたに、自己紹介! 私は卯神サラ。ラビポップランド在住の魔法使い見習いのうさちゃんです!」
「めっちゃデザインかわいい!! ママは誰?」
ママ......?
ママと言えば、Vtuber界隈で言うところのイラストレーターさんだ。
もしかして:二次元
急いでステータス画面を開いてみるが、特に何も書いてない。ここは異世界だし、そういうことがあってもおかしくないか。
「サラのママは、秘密。ラビポップランドで一番の殺し屋さんだから。ごめんね☆」
ウインクをし、人差し指で口を塞ぐしぐさをしようとする。ウインクは失敗し、両目閉じてしまった。生まれてこの方ウインクなぞしたことなかった。
「はーい。では、初配信ということで、もらった質問に答えて行こうかなっ!」
もちろん質問など受け付けてないし、いい感じに言いたい事言おう。
「まず、年齢は? 永遠の19歳!」
「こんちゃ~」
「もしや合法......?」
気づいたら、同接が5人になっている。
「ご、合法じゃないもん......」
だんだんめっちゃ恥ずかしくなってきた。頬が赤いし熱い。
「5人も来てくださった! ありがとっ!」
「普段は何してるん?」
「異世界でモンスター討伐してるの! ママに習った力で戦ってるよっ!」
キャラ付けと事実とを。
「戦ってる様子見てみたいwwwww」
典型的なヤな感じのリスナーだ。
いっちょ見せてやりますか。そもそも、奇抜なことしないとスパチャの見込みがないよな。
「ガイド、外で配信することは可能?」
問い合わせてみる。
「可能です。カメラをドローンモードに切り替える機能は初期からついております」
「今話してるのは、私専属のガイド。可愛い美少女には必須だよねっ!」
なんでやねん、ってコメントが流れているのが見えた。
よし。なんか行ける気がする。
カメラをドローンモードに変え、一度深呼吸をし、配信部屋から出る。
絶対に勝って見せる。
ピコン
¥200
パンツ見えた!!
「キャッ......!」
初めてのスパチャを手に入れた......




