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08 仲間
今夜も月明かりに照らされているエルミナ様。
見た瞬間に、浄化されちゃった、僕。
分かっていましたとも。
あの気品の前では、普通の男なんて、こんなもんです。
ベッドの定位置に腰掛けて、ため息ひとつ。
「カミス様」
なんでしょう。
「お話があります」
いつもとは違う気配に、振り向いた。
エルミナ様のお話しは、お城からの脱出計画。
国からの自分への扱いに覚悟を決めたエルミナ様は、
親しい人たちと相談して脱出を計画。
仲間は、セセリさんとシスカさんのみ。
最初は三人だけのつもりだったけど、
シスカさんの希望で僕を試してみた、とのこと。
「もし僕が、その、アレだったら」
「覚悟は、ありました」
エルミナ様、ベッドの下から短刀を取り出した。
自分がへたれだったことに、心底感謝。
「今宵、セセリが迎えに来たら、決行です」
急展開にも程があるよ、です。