あなたとの薫り
薫りの物語、如何でしょうか……?
ココアの薫りがした
甘い、甘い薫り
あなたが淹れてくれた
ココアの薫り
私には
とても甘いあなた
ついつい我が儘を言ってしまう
そんな事を考えていた
ココアの薫り
紅茶の薫りがした
複雑でいて
とても良い薫り
一体、何のフレーバーなのだろう
気になるが
あなたは教えてくれない
ミルクを入れるのが
ちょっと惜しくて
でも、苦いのが苦手な私には
入れたくて
迷ってしまう
そんな百面相をする
私を見て
静かに微笑む
あなた
紅茶の薫り
二人の間に流れる
コーヒーの深みのある
薫りがした
やはり、あなたみたいには
淹れられない
何かが違う
コーヒーの薫り
ブラックで飲んでみて
顔をしかめる
あなたのブラックは
何故だか飲めたのに
やはり、違うのね
コーヒーの薫り
一人の私に
寂しく漂う
ほうじ茶の薫りがした
涙に暮れて
ささくれていた
私の心に
優し広がる
茶器を操るあなたの手は
鮮やかで
やはり見とれてしまう
芳ばしい薫り
顔を見上げれは
「ごめんね」という
あなたの表情
「いいよ」と
私は笑う
本当は
無理して笑っている
あなたの恋人は私だけど
趣味のお茶には
敵わないんだもの
あなたとの薫りは
とても……
久しぶりの詩です。
ココアが飲みたくなって書きました。
そろそろ、あったかい飲み物の季節、かな。
いや、まだかな。
あなたの薫りの物語は、何ですか?
ここまで、お読みくださり本当にありがとうございました。