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第19話 すっぴん

『ピンポ〜ン』


 玄関のベルが鳴った。 はっしーがお迎えに来てくれたんだ。


 私が出ようとすると「……たまごサンド、橋本さんの分も作ったから渡してあげて! 飲み物は真優《まゆ》が買ってあげてね」と言って、母が可愛らしいキンチャク袋に入ったバスケットを渡してくれた。


 実は、はっしーも母のたまごサンドファンなんだ。 


 はっしーは歯に衣着せぬ物言いをする人だが、そのはっしーが「おかあさんマジでどっかに出店すべきだよ〜〜!」と真顔で言っていたくらいだ。


 はっしーは「朝ご飯、食って無いからちょー嬉しぃ〜! おかあさんありがとうございま〜〜す!」と、とろけるような笑顔で母にお礼を言った。


 母も「真優をお願い致します」とかしこまってお辞儀をした。


 時間的に余裕があるので、たまごサンドを食べながら、コンビニに寄り寄りしつつ、のんびりとICLSの講習会場に向かった。



 会場の駐車場が見えたと同時に、はっしーの目がキラリと光った!


 ……それは……え〜と……それは……例えると……


 そう! それこそ……アフリカかどこかの自然豊かな草原か何かで、獲物を発見した野生のライオンやトラなどの肉食動物が『おお! おいしそうな獲物の動物を見付けたぞっ! やったあ!』って感じの目だった(←例え下手な上に、文章長っ)


「白い『テネシー』発見!」


 てねしー!? あ〜、あのちょっとカッコイイ車か。 それがどしたの?


「やーねー! 何で私がこんな休日に朝も早《は》よからこんな所に来たと思ってんのよ〜♡」


 ……?


 …………


 ……!


 思い出した〜!


 元を正せば、私がICLS講習会に参加することになったのは、はっしーがICLSアシスタントの『石黒さん』と仲良くしたい……っていう邪《よこしま》な動機からだった!


 はっしーは喜び勇んで、白いテネシー(左ハンドル)の横に停車した。 しっかり頭から突っ込んだので、運転席同士が最も接近している!


 ほぉ〜っ、こういうアプローチもあるのね(φ(..)メモメモ) 


 ……あ……私、自動車免許無かった(泣)


「さっ! まゆ! 行こ行こ!」


 まあ待てはっしー……あんたは素が良いからそのままでイケるだろうが、私は少しお化粧を……


「あ! お化粧は無しよ! ダミーに付いちゃうし、何より大汗かいて無意味だから〜」


 え……ホント!?


 こ、こうして私はなんと、すっぴんで初ICLSに参加する羽目になった。


 ……のだが……


 実はふつーにお化粧している人が大多数だったのは言うまでも無い(泣)

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