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第4話『呪い』
「警報、警報!」
……ドアを開けて入って来た、深田先輩の声が響いた。
……け、けいほう?
そして、私の顔を見るなり、「遥、呪った事、ある?」
……! 呪いぃ?
この前、心電図録るのに一苦労した時に、深田先輩を恨んだけど……
「呪いなんて、そんな、恐ろしい……。 無いです無いです。」
……と必死で否定した。
すると、深田先輩と技師長が、無言で何かに取り憑かれたかのように移動し、何かの準備を始めた。
まさか……呪いの儀式?
私は、あれよあれよと言う間に、検査室の『不潔区域』に追いやられ、フェイスマスクと防護着を渡された。
……言われるがままに、装着する。
技師長が先輩に「準備OK!」と告げると、先輩が、何処かに電話した。
暫くすると、検査室のドアが『コン、コン、コン』……と鳴り、ゆっくりと開いた。
そこには ……完全防護服に身を包み、棒のような物を手にした長谷さんが、ぼーっと立っていた……。