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臨床検査技師の『はるか』です!  作者: コンロード
第2章 病理組織診
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第5話 追憶

 どれくらい、こうしていただろう……。


 目と鼻をこすり過ぎて痛い。


 さっき、検体処理の途中で出て来ちゃったけど、あの後は先輩たちがやってくれたのかな? 


 私……仕事放棄で、クビになっちゃうかな……。




 ……最近、何故なぜかマンガ家を目指していた頃の自分を思い出す。



 小学校低学年の頃、父が読んでいた手塚治虫先生のブラック・ジャックに魅せられて、いつか自分もあんなマンガを描きたい……と思い始めた。


 高校2年の時、進路を決めるのに迷わず『マンガ家』と言ったら、両親に猛反対された。両親は、安定した職業に就いて欲しかったんだ。


 それでも諦め切れなかった私は、登校拒否までして、家でマンガを描き続けた。


 ……根負けした父が「先ずは、どんな仕事でも良いから、手に職をつけろ。 そうしたら、30歳までは、好きにしても良い」と言ってくれた!


 暇を見てスマホで、手に職を付ける方法を検索していたら『医師が治療する為の設計図を作る仕事です』という文字を見付けた。それが、『臨床検査技師』を知るきっかけだった。


 色々調べていくと、一応、国家資格だし、病院務めなら、親も許してくれるだろうと思った。

 

 更に、運が良ければブラック・ジャック先生みたいなドクターのお手伝いをして、やがては、ピノコのように、先生と相思相愛になれるかも知れない。


 ……そんな膨らみきった欲望を励みに、再び高校にも行き、苦手な理数の勉強もして、検査技師の養成専門学校に入学した。


 3年間、専門学校に通い、国家試験も無事合格して……「さあ! これからデザイナー学園に行くぞ~」……と思っていたら、専門学校の先生から今の病院に推薦され、そのまま就職したんだ。


 ……この前、尿ハルンを運んでいて子供にばっちがられた時も今回も、どうしてこんなにも辛い事が起きるんだろう。 やっぱり、適当に就いた仕事だから、神様に叱られてるのかな……。


 こんな時、いつも私は『サム』に相談する。


 早くサムに会いたい……。

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