2部 これ元いた世界よりブラックなんだけど、かわいい3姉妹がいるから何とかモチベーションが保ててるそんなある日
2章
1話
変わらぬ日常
俺は今、働いている。不幸な事故から異世界に転送された俺は王国一の運送会社に拾われた。過労死をするんじゃないかというほど働いている。週休2日。これだけ見れば現実の会社と何ら変わりないのだが、俺は会社内に住み込みで働いているため何かあればすぐに駆り出される。実質週休半日ぐらいだろう。
「敏雄さん。お休みのとこ申し訳ないのですが、この荷物をソリアナ村まで持って行ってくれませんか?」
そう俺の名前は田中敏雄。そして俺に命令を下すのはラムカ・・・・・もうこのくだりはいいか。
休日の朝。特に何かする予定はないが呼び出されることを覚悟して早起きしていた俺に、案の定仕事がやってきた。ソリアナ村とはここから片道1日ほどかかる、国境付近に位置する村だ。
「わかりました。」
ついでにということで途中で通過する村の荷物を一通り馬車に積むと、荷馬車は人ひとり入るスペースがないぐらいパンパンになった。この量は2頭の馬を照れてもだいぶ時間がかかるぞ。
「あれ?トシーオさん。今日も出勤ですか。」
荷物を積み終えたところにやってきたのは、俺をこの会社に連れてきたアルカ。
「どうも配達が間に合ってないみたいなんで、また駆り出されることになったよ。」
アルカは荷馬車の中を確認する。
「これを一人でですか!ちょっと待っててくださいね。」
アルカは走ってどこかへ行ってしまった。
待つこと5分。
「なんだまだ出発してなかったのね。ドブ、田中の分際で早く行きなさいよ。」
今度はソニカがやってきた。最近ドブネズミといわれることは減ったが、毎回毎回ドブまで言って言い直すのは変わらない。というかそのままドブネズミって言われることの方が圧倒的に多い。
「アルカにここで待ってろって言われたから待ってるだけなんだが。さすがに勝手に出発はできないだろう。」
アルカが向かって行った方向を見ながらソニカに返答すると、ドスっという重い音とともに右太ももに激痛が走る。
「あんたね、ここにきて2か月働いたぐらいでアルカお姉さまのこと呼び捨てにすんじゃないわよ。蹴り飛ばすわよ。」
いや、すでに蹴られてるんだが。しかし俺だって成長してないわけではない。ここ2か月ソニカに何度も何度も太ももを蹴り続けられたおかげで、前のように地面にひれ伏すことはなくなった。今はかろうじて立っていられるようになったのだ!マジで痛い。
「すいません。」
痛みにこらえながら謝罪を入れる。
「お待たせしました~。」
アルカがやってくる。助かった。誤解の内容に言っておくが俺は断じてソニカが嫌いなわけではないぞ。確かに口は悪いしすぐに足が出るが本当は優しい子だってことを俺は知っているんだからな。
「こっち見ないでくれる。ドブネズミに見られると反吐が出そうなんだけど。」
ものすごい冷たい目で見られたorz
「ソニカちゃんあまり言いすぎるとトシーオさん泣いちゃいますよ。」
女神降臨。この2か月俺が頑張ってこれたのはアルカのおかげだ!!
「そういえばここで待ってたんだけど何かあるのか?」
ドス。再び蹴りが入る。しかしここで反応していては話が進まない。
「荷物の量が多かったのでお姉ちゃんに言って私も同行させていただくことにしました。」
本日二度目の女神降臨。よく見るとアルカは動きやすい服装に着替えていた。しかし、ここ2か月アルカとラムカが配達に向かう姿を見たことはなかったんだが、どういう風の吹き回しだろうか。
「嘘・・・・アルカお姉さまがこんな、こんなドブネズミと2人で配達なんて・・・まだ私とは配達してくれたことないのに・・・・・」
ソニカは俺のみぞおちを一発殴ると
「アルカお姉さまに何かあったら、殺すからね。」
と言い、走ってどこかへ行ってしまった。
「大丈夫ですか?」
太ももは耐性が付いたが、みぞおちは初体験だったので地面にひれ伏してしまった。
「大丈夫だ。」
大丈夫じゃない。
「そんなことよりソニカはいいのか。なんかかなりショックを受けていたみたいだが。」
「多分大丈夫だと思います。あの子ああ見えて結構強い子なので。」
ああ見えて?普通に見た目通り強いと思うんだが、心配した俺が言えることでもないな。
「それより出発しましょう。夜までにソリアナに着かなくなっちゃいます。」
「そうだな。」
みぞおちを押さえながら馬車に乗り込む。マジで痛い。
出発して5分。早くも俺はピンチに陥っていた。会話がない。ここまで無言で来ている。たかが5分だと思われるかもしれないが、誰かが隣にいる状況で5分はかなり長く感じる。いままでは一人で配達しているか、ソニカにギャーギャー言われながら配達していたが、相手がアルカとなると何を話していいのかわからない。しかしこのまま配達を終えるなんてもったいない。アルカと二人っきりなんてこの先あるかどうか。駄洒落じゃないぞ。ピンチをチャンスに変えろ敏雄。意を決してアルカの方を向くと
「すー、すー」
寝ていた。しかも器用にも曲がり道もしっかりと対応している。なんなんだこの子は。寝たふりにしては幸せそうな顔をしてるし、本当に寝ているのだろう。俺は涙をこらえながら馬車を走らせた。こういう時に寝るのはラムカだけじゃないのか。
一つ目の村に到着したのは出発して1時間ほどだった。到着と同時にアルカは目が覚め、大きなあくびをしたが、俺がいることに気が付いて恥ずかしそうに口を両手でふさいだ。かわいい。
「馬に乗っててくれ。荷物は俺が降すから。」
「すいません。お願いします。」
アルカに荷物を降ろさせるわけにはいかない。こういうのは男の仕事だ。ってソニカの前で言ったら男女差別するなって蹴られたな。ソニカはたくましいな。
ここで降ろす荷物をすべて宅配置き場に置き、次の村を目指す。
「少しはこの国の暮らしに慣れましたか?」
今度はアルカは起きてくれていた。なんだ起きていれば話しかけてくれるのか。
「まあ少しは慣れてきたかな。街も賑わいがあるし、外に出れば大自然が広がっているし、俺がいた世界にはないものがこの世界は多いよ。」
慣れてきたといえばそうなんだが、ほとんど働きっぱなしで街の様子なんてわからないんだよな。ただ声だけは聞こえてくるからにぎわっているのは確かなんだろうけど。
「それはよかったです。実はお姉ちゃんと話してたんですよ。無理に私たちの会社に入れてしまったから、なにか不安とかないのかなって。」
不安か・・・・・・不安ね・・・・・・不安。
不安を感じる暇がないことが一番の不安だ。しかしこんなこと言えるわけがない。ここをクビになったら、明日からどうやって生活していけばいいのかわからない。
「大丈夫だ。寝泊りするところももらえて、仕事と給料も貰えるようにしてくれたんだ。感謝してるよ。」
「本当ですか!実はうちの会社運送業だけ離職率が高くて困っていたんですよ。」
うん。こんなに働かされるならそうだろうな。
「ちゃんとみんなには休んでほしいんですけど、常に人手が足りなくてトシーオさんみたいに休日出勤を頼むことが増えてて。そうしたらまた辞める人が出てきてしまって。運送業自体は国の中でかなり重要な仕事なので悪い噂は立たないんですけど、2年以上この仕事を続けてくれた人は数えるほどしかいません。」
悪循環か。そうなると普通倒産するのが会社なのだが、これだけ大きい会社だと就職希望者も多いのだろう。知らんけど。
「そうだったのか。それなら人手が足りない間アルカやラムカさんも運送していたのか?」
「えーっと、お姉ちゃんは結構配達に回っていた時期がありましたね。私はあんまり配達にはまわってないんですよ。」
「そうなのか。」
意外だな。ラムカは社長室で指示を出してて、アルカが配達回ってるんだと思ってたのだが。
しかしその理由を俺はすぐに知ることになる。
話をしていたから次の村にはすぐに着いた気がした。
「ここでの荷物は少ないので私が降ろしますね。」
配達票を確認すると、小包が3個だけだった。
「それなら任せるよ。」
小包ぐらいなら任せても文句は言われないだろう。この事実が知られたらソニカに怒られそうだが。
ガタガタガタガタ、ドン。
「どうした!」
馬車を飛び降り、アルカのもとに向かう。馬車に積んでた荷物がすべて崩れており、荷物の下で伸びていた。
「アルカ?おーいアルカ。」
ダメだ。完全に気を失っている。幸い外傷はないみたいだからよかった。俺はここに降ろす小包を探し出し、宅配置き場に置く。メモ紙を取り出し“すいません。一度落としてしまったのでお客様に確認をとってください。何かあれば田中敏雄まで連絡ください。”と書く。
「これで良し。荷物を積みなおすか。」
落ちた荷物を積みなおし、空いたスペースにアルカを寝かせる。1つ目の村の荷物に大きいものが多かったおかげで人ひとり寝かせるスペースを何とか作ることができた。さらに荷物が崩れないように厳重にロープで固定をする。寝ているアルカに追い打ちを食らわせたくないからな。
「何事じゃ。」
村の住人たちが音につられて集まってきた。
「申し訳ありません。お客様にお届けする荷物の一部を落としてしまいました。なにか破損などがあれば田中敏雄までご連絡をお願いします。大変失礼しました。」
俺は深々と頭を下げる。
「怪我はなかったか。」
村の住人を代表して村長が近寄ってくる。
「はい。多分大丈夫と思います。」
「そうかそれはよかった。最近入った子だね。噂は聞いているよ。礼儀正しい子がいるって。」
噂になっているのか。下手に悪いことはできないな。いや何か企んでいるわけではないんだけど。
「ははは。ありがとうございます。すいません次の配達があるのでそろそろ出発させてもらいます。」
「そうかそうか。引き留めて悪かったな。また遊びにおいで。気を付けるんじゃぞ。」
俺は頭を下げ、馬車に乗り、馬を歩かせる。村の住人が手を振ってくれたので俺は二度頭を下げ、その村を後にする。
この世界の住人は基本的にやさしい。この世界は電子機器などがないし、はっきり言って便利が悪い。だがその分、助け合いの文化が発展している。ここにいて人の愛を肌で感じることが多い。正直、前の仕事では理不尽な怒られ方が多かったから、形上頭を下げてはいるが申し訳ないという気持ちなど1ミリもなかった。しかしこの世界では自然と頭が下がるようになったし、本当に申し訳ないと思うことが多い。謝りなれてると言われればそこまでなんだが。
俺はそんなことを考えながら、ふと自分の両手を見る。さっきアルカを馬車に乗せた時のアルカの体の感覚が残っている。あのまま地面に置いとくわけにはいかないし。かといって村にとどまっては荷物が届けられないし。あくまで介護するために触ったんだ。下心があったわけでは、あったわけでは・・・・・。あったな。女性をお姫様抱っこする経験なんて普通に生きていればないだろう。というか俺の人生女性の体を触るなんて経験さえなかった。マジで柔らかかった。自分でもわかる。今俺は相当気持ち悪い顔をしている。
「あれ、ここは。」
後ろの方でかすかに声がした。俺は馬車を止めアルカのもとへ向かう。
「よかった。気が付いたか。」
アルカは寝ぼけたような顔をしていたが、思い出したのかいつもの顔に戻る。
「すいません。私はなんてことを。」
頭を下げるアルカ。
「いいよ。大怪我しなくてよかった。どこか痛む場所はないか。」
アルカは体全体を見まわした後軽くジャンプして見せる。
「はい。大丈夫です。私は元気ですよ。」
やせ我慢してるわけじゃなさそうだけど、一応念のためだ。
「もう少し休んでなよ。あと2時間ぐらいでソリアナに着くから。」
「いやいや、大丈夫ですよ。手綱を握ってるだけですから。」
「頭打ってるかもしれないから今日は休んでなって。」
「わかりましたぁ。」
アルカは少し落ち込んだようにして馬車の中に戻る。一度の失敗でそこまで落ち込むのか。あとでフォローしとかないと。どっちが上司かわからない状態だ。
その後特に何か会話はなくソリアナ村に着いた。国境付近と聞いていたのであまり発展していない村かと思ったが、規模としてはそんなに大きくないが石垣に囲まれた村だった。今日はここに1泊していくので、村を見回るのは荷物を置いてからにしよう。
「ここの宅配置き場は・・」
「こちらです。」
アルカがいつの間にか馬車から降りており、馬を誘導してくれる。村の中央に宅配置き場と厩舎があった。荷物は俺一人で降ろし、アルカとともに今夜泊まる宿に向かう。
木造二階建ての宿はベットと机があるだけの質素なものだった。しかし誤算があった。部屋が一つしか空いていなかった。シングル部屋。マジか。
「俺は馬車の中で寝るよ。荷物もないし寝れるだろう。」
「いやいや。私が馬車で寝ます。今日は迷惑をかけてしまいましたし、ほとんど仕事を任せてしまったのでベットでゆっくり休んでください。」
「いやいや、君は・・・・」
こんな調子で20分ぐらいだろうか、お互いに譲らない譲り合いをしていたらヒートアップしてきた。
「だいたいアルカは俺の上司だろう。上司優先なのが社会ってものだ。」
「何を言ってるんですか。役に立たない上司を優先したって仕方ないじゃないですか。」
「役に立たないって、それとこれとは話が別だ。とりあえずベットで寝てくれ。」
話がまとまらない。お互い言葉が少し荒くなってきている。ここで言い争っても始まらないので俺は馬車に向かうことにした。
「なら、一緒に寝ればいいじゃないですか!!」
「は?」
思いもよらない提案。男としては嬉しい。うれしいよ。でもそれはなんていうか、その・・・・・・・・あれだ。
「アルカさん、いったん落ち着こうか。それはまずいだろう。」
アルカもとっさに出た言葉で、少し顔を赤くしている。しかし
「落ち着いてます。でも、トシーオさんに休んでもらいたいんです。」
少し泣きそうな声を出す。これをされると断れんな。
「はあ、わかった。それで手を打とう。」
こうして王国一の商会の社長の妹と同じベットで寝ることになった。まあ、アルカが寝たあたりで床に移れば大丈夫だろう。
アルカと近くの酒場で食事をとった。とは言ってもお酒は飲んでいないが。この世界の外食は基本酒場に行くことなのだ。その後温泉に入り、カバンに詰めた服に着替え寝る準備をする。アルカは壁側に、俺はその反対の隅にお互い背を向けて寝る。わかっちゃいたが狭い。
「トシーオさん。私って役立たずなんですかね?」
アルカは静かに話しかける。
「今日途中でした話を覚えていますか。私があまり配達をしてないっていう話です。実は私、初めて配達に行った日に馬に逃げられちゃって歩いて帰ったんですよ。その後も今日みたいに積み荷を崩したり、届ける人を間違ったり、それこそトシーオさんを間違えて会社に連れてきてしまったり。みんなに迷惑ばかりかけてるんですよ。」
アルカの声が少しずつかすれていく。
「ソニカちゃんはビシバシ働くし、お姉ちゃんは頭がいいから利益がどうとかって言って会社を運営してるし。私は・・・・私は馬のお世話とか、掃除しかできることがないんです。」
「そうだったんだな。仕事ができる姉と妹に挟まれた次女か。きつかっただろうな。実はな俺も似たようなもんなんだ。俺には兄はいないが弟がいてな。そいつができるやつなんだよ。一番いい学校に行って常に一番をとり続けて。母さんはそうでもなかったけど、父さんは弟ばかり愛してたよ。それに途中から弟に完全に見下されてたしな。」
事実だ。
「あの家に俺の居場所はほとんどなかった。しかし母さんと二人っきりの時は母さんは俺を愛してくれた。就職し家を出てからは仕事を頑張っていると父は俺を見直してくれて仲良くはしてたんだけどな。弟とは今でも口を聞いたりはしないよ。正直羨ましいよ。3人仲良くやってるのを見ているだけでも。」
「トシーオさん。」
アルカが体をこっちに向けたような音がした。
「あと、気が付いたことがあるんだけど。アルカって記憶力結構あるんじゃないか。どこで何を降ろすとか俺は宅配表見ないとすぐには下せないけど、アルカは何も見ないで迷いなくおろしてたんじゃないか。」
そう途中でアルカが崩した積み荷から目的の小包を探すときほとんどがアルカの手元にあったのだ。
「そうですね。私、昔から一度見たものはすぐの覚えていたような。でも仕事には役に立ちませんし。
「役に立つ立たないは自分次第じゃないのか?そもそもそれってすごい才能だと思う。その才能を生かせる仕事を見つけられれば役に立つ能力になると思うぞ。俺なんて才能がなかったから、ただがむしゃらに働くしかなかったわけだしな。ははは。」
「トシーオさんは強いんですね。」
背中に何かが当たる。アルカがこちらに近寄り背中に顔を近づけているようだ。
「ごめんなさい。今日はこのまま寝かせてください。」
俺は無言で答える。というかいきなりのことで動揺している。心臓はバクバク言ってるし。なんかいい雰囲気になってしまったし。いやしかし田中敏雄、女の子に手は出さないと決めている。俺もこのまま寝よう。
ドキドキしていたにもかかわらず、すぐに眠りについた。相当疲れていたのだろう。
ドス。鈍い音とともに目が覚める。ソニカがこんなとこにいるわけはないしなんだ。目を開けると俺はベットから落ちていた。断っておくが俺は寝相がいい。ベットの上のアルカを見ると俺の背中に当てていた手を思いっきり伸ばしている。突き落とされたんだ。しかしまあいずれ床で寝るつもりだったしいいか。そのまま床で寝ることにした。
ドス。再び鈍い音で目が覚める。俺は床で寝ているんだ。これ以上落ちるはずはないんだが。目を開けると、アルカがベットから落ちてきた。不幸中の幸いとでもいうのか胸にきれいに顔が埋まった。二分ぐらいこの状態を堪能したが、このままでは眠れない。アルカをどかし、ベットの上に戻すためにお姫様抱っこをする。
ドス
抱え上げた瞬間、アルカの拳が顔面目掛けて飛んでくる。一体俺が何をしたっていうのだろう。胸に顔をうずめただけではないか。しかも偶然だ。偶然。何とかアルカをベットに戻すと、今度は腕を引っ張られベットに体を戻される。床に行こうにも腕をしっかりと体全体でつかんでおり抜け出せない。仕方なくベットで寝ることにした。そして腕に当たる胸の感覚を楽しんだ。
ドス。ドス。ドス。ドス。
一晩で何回起こされただろう。寝不足というほどでもないが、寝た気がしない。先に起きた俺は馬車に向かい、馬の手入れや帰る準備を行っていた。一方アルカは満足そうな顔で起きてきた。
「お早いんですね。私も準備手伝います。」
朝方、最後の一撃は蹴りによるベットからの突き落とし。これにより完全に目が覚めたが、そんなことは口が裂けても言えない。
「いつも早起きしてるからな。ははは。」
アルカが来た時点でほとんど帰る準備はできていたので、朝食を食べ、昼食にサンドイッチとコーヒーを買い、ソリアナを後にした。
この後アルカと草原で昼食をとった後二人で昼寝をして、帰りが遅くなりソニカに怒られたのは言うまでもないだろう。