タンゴ
この時期、タンゴと言えば、端午の節句ですね。決して黒猫のアレではないはずです。
端午の節句は男児の健やかな成長を願って五月人形を飾ったり、鯉幟を立てたりする日です。
本来は男児に限らず無病息災を願う日で、菖蒲を屋根に葺いて邪気祓いをする日でした。
邪気祓いの方法は他に、酒に入れて飲む、沐浴する湯に入れるなども行われていたそうです。
平安時代の宮中では諸殿舎に菖蒲を葺いたり、菖蒲鬘を被ったり、薬玉を佩びるなどしていたようです。また柱に掛けて邪気祓いをするのは、九月の重陽の節句で飾る菊と交代で行われていたようです。
またこの日には粽を食べる風習もあって、当初は餅(団子)を菰で巻いて茹でたものでしたが、後に茅で巻いたものを茅巻、篠で巻いたものを篠巻、蘆の葉で巻いたものを蘆粽、菰で巻いたものを菰粽と種類も豊富になります。現在では餡餅を柏の葉で巻いた柏餅が主流ですね。
こうした宮中行事は鎌倉時代半ばで途絶し、民間、特に武家で広く行われるようになります。
菖蒲が勝負、尚武に通じて縁起が良いとして江戸時代に流行しました。
鎌倉時代では紙で作った兜に花を飾る「冑の花」を贈っていたものが、江戸時代には冑、旗、刀剣を飾り、薄板で作った甲冑を厚紙の人形に被せる冑人形が出来上がります。
菖蒲刀を作って打ち合う遊びも戦国時代以降の風習です。
旗幟には家紋を描いて軍陣の旗印を模倣していたものが、やがて武者絵や鍾馗に変化します。
江戸時代の中期以降には鯉幟に変化して現代に至りました。
男児の祭りとなったのは、江戸時代の菖蒲刀で打ち合いをする風習になって以降でしょう。
現在は「こどもの日」となって、往古の風習に近づいたとも言えます。
今年も皆さんが健康でありますように。