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あなたと同じ
「あなたと同じ〇〇になりました」
こう言われて嬉しくない方はいないと思います。
阪神淡路大震災で、倒壊した家屋に閉じ込められた少年がいました。
ご両親は通りかかった消防士に救助を依頼しますが断られてしまいます。
次に警察官に依頼しましたが、やはり断られてしまいました。
藁にも縋る思いで次に通りかかった人物に依頼すると、「やってみましょう」と答えてたった一人で救助活動を行ったそうです。
数日後、避難所には元気に回復した少年がいました。
その少年を見舞いに来るのは迷彩服の若いお兄さん。そう自衛官です。
いよいよ自衛隊が撤収する前日、両親は少年に命を救ったのは自衛隊だと伝えます。
少年が自衛官になろうと決心したのは、この時でした。
それから数年後、陸上自衛隊に入隊し、厳しい訓練を耐えた彼はついに命の恩人と再会を果たします。
そしてこう伝えました。
「あなたに救われた命で、今度は多くの命を救うため、あなたと同じ自衛官になりました」




