世紀末
「世紀末が来るぞ」と歌われたあの時代、誰しも大なり小なりノストラダムスの大予言を信じていました。
バブル経済が崩壊し、少しずつ生活が歪んでゆく中で、終末思想が人々の胸中に去来していなかったとすれば、嘘になるでしょう。
結局は予言が外れて日常が続くと分かった瞬間、2000年問題に直面します。
これはパソコン黎明期のメモリ不足を解消する為の仕組みから発生したもので、内蔵時計の年が下二桁のみで管理されていたことが原因として起こる不具合を予告したものでした。
実際に下二桁管理のプログラムでは誤作動しました。
この2000年問題の解消にほとんどの企業が躍起になり、肝心の経済政策が立ち遅れて、現在の不景気に繋がっています。
何事も初動が大事と、この時に教訓を得たはずなのですが、政治家や官僚は全く学んでおりませんね。
世紀末を目前に控えた時期、バブル期のトレンディドラマの影響を受けた内容から、少しずつ暗い雰囲気へと変化していきます。
また旧作のリメイクや続編、或いは題名を名著から採るなど、独自性を発揮できないような風潮が目立ちます。内容そのものは独自性がありましたが。
アニメではセーラームーンが終わり、集英社、講談社のアニメに替わって、角川文庫の作品が増えて来る時代です。
メディアミックスという手法で、ライトノベルの人気作品をCD文庫化、OVA化からテレビアニメへと繋げ、更にキャラクターソングも販売、声優とファンの交流会などが大きくなって行く時代です。
この流れを決定付けたのは平成5(1993)年の『アイドル防衛隊ハミングバード』だったと思います。
バブル崩壊から世紀末へ向かう時代、「何でもあり」でしたね。




