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002-悪夢の真相-

ビルが立ち並ぶ摩天楼に、一人の男が舞い降りる。

「――選別の時だ――」

男が手を前に突き出すと、後方から次元の扉開かれん。

次元の扉の闇から従いし者、後にシャドーと呼ばれる下部が飛び出す。

辺りから溢れんばかりの悲鳴、絶望、拒絶。

シャドーは感情もなく人々に襲い掛かり、喰らい尽くす血肉、心、記憶。

さぁ、あそこの小僧も喰らい尽くそうぞ!!


***


突然布団が宙を舞う。

それを追うかのように数滴の汗が飛んでゆく。

勢いよく上半身をあげたせいだ。

荒れた呼吸をゆっくりと整える。

「またあの夢……か――」


今日もまたソラは同じ悪夢を見る。

ただ日を追うごとに、少しずつ変化していく悪夢を。

しかし、この悪夢を見るのはソラだけではない。

アゲハ・ドル・サクラ、ソラと同じくファーストに住む少女。

そのソラの恋焦がれる人物もまた、同じような悪夢に苦しまされていた。


しかし、悪夢を見る者同士が集まった所でそれが何を物語っているのかを知ることは出来ない。

もしかしたら何かが起こる前兆なのかもしれない。

何かヒントが隠れているかもしれない。

初めてソラが悪夢を見たあの日、その時彼が何をしていたか、観察者として再び時を戻してみよう。



***



数年前――


「サクラちゃん待ってよ!」

目の前を走るサクラに息を荒げながらも声を掛けるソラ。

「男の子でしょ! もっとしっかり!」

「うん……」

サクラに反抗できないソラは従って走るのみ。

何も知らされていない少年は困惑しながらも少女の後を追った。


「着いた~!!」

サクラは両手を大きく上げ、ガッツポーズをとる。

「ここは?」

汗だくな2人の目の前には大きな建物が。

「ゲームセンター!」

「もしかして、この町にも!?」

目を輝かせるソラ。

体のソコからウズウズしているのは目に見えていた。


中に入るや否や声を上げるソラ。

「うわ~~! すご~い!!!」

初めてゲームセンターに入ったソラの興奮は冷め止まない。

そんな彼の手をサクラはギュッと握った。

「こっちこっち!」

サクラの指差す方向には今大人気で流行中のゲーム、キング・オブ・ナイト。

「早くやろ?」

サクラは微笑みながらソラを誘う。

「でも、こんなに行列出来てるよ?」

ソラの言うとおり、大人気ゲームのため行列ができるのは日常茶飯事。

そのため、各ゲームセンターは様々な対策を練っている。

このゲームセンターではゲーム機横に設置されている整理券を取ることにより、並ばなくても時間が来ればプレイできる。

しかし、このゲームは観戦ゲームとしても人気があるため、整理券をとっても並ぶ物が多いのだ。

様々なプレーヤーのプレイを、ゲーム機上に設置してある大画面で見るために。


「心配ないよ、もう整理券取っちゃってたし」

サクラはこうなることを予期して、ソラと会う前に整理券を取りに来ていたのである。

「あのね、やり方は――」

一度プレイした事のあるサクラは、先輩気取りでソラにゲームの仕方を教える。

「わかった?」

「うん!」

そしてソラの初めてのキング・オブ・ナイトのゲームが始まった――



***



ゲームを終えても興奮を止める事のできないソラ。

「楽しかったね!」

「よかった、喜んでもらえて」

他愛も無い会話。

微笑みの絶えない2人の横をある男がすれ違う。


――黒コート――


頭の中に黒コートと文字が浮かびあがり男と目が合う。

顔はよく分からないが、2人とも男の眼を捕えたのは間違いない。

「気味悪いねあの人……」


ソラが悪夢を見るようになったのはその日の夜からだった。

黒コートはゲームもせず何故ゲームセンターに行くのか。

黒コートは悪夢に関係しているのだろうか。

黒コートの男は一体何者なのだろうか。

そして悪夢の示すものは、何を意味しているのだろうか……

全ての道は一つの答えへと繋がる。

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