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父親がスキーに、はまっていた時期があった。
その時は、私が大学生になったあたりだろうか。
彼は、どうしてもスキーに行きたがったので、付き合ったことがあった。
そこでも私がスキーをする度に、
「〇〇(私の名前)のスキーのフォームは変だから、遠くからでも○○が滑っているのがわかるぞ」
これまた、いつもの陰湿な表現で私に言ってきた。
当時、私はスキーを始めたばかりだったが、彼は、その点を見事に使い、弱者に劣等感を与えることを試みたのである。
「俺を見て」
「俺ってうまいでしょ」
が、ここでも止まらない。
当時、「弱い子供」だった私は、そのような言葉に言い返すこともできず、ただ黙り込むのである。
その環境での「強い」子供と「弱い」子供の構図は、長らく続くことになる。
今考えると、このような「クズ」に屈したことは、私の一生の恥として、いつも心に刻まれている。
嫌なことがあったとき、現実(今)の「嫌」という感情は、過去の「嫌」という感情に結び付き、「クズとの思い出」が誘発されるのである。
私の無意識の憎しみが、私を苦しめるのである。
この「憎しみ」を取り除いてほしい。
神に祈るのである。