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第2話 リリスちゃん7さい

 密かに生きていた真祖の吸血鬼たる魔王、カンデラリア。

 剣聖は死に、聖女は魔王の眷属となり、加護を失った。

 荒れる国内情勢の中、王国は【勇者召喚】に踏み切る。

 異世界から呼び出された勇者は理外の存在だ。

 女神のルールを無視し、強制的に英雄を呼び起こした。

 何故か聖女が見つからず、魔王に囚われているとされたが。

 勇者の強い希望により、高位の治癒魔法を扱える第三王女とエルフの巫女を加えた勇者パーティが結成された。

 


 勇者ハヤト

 王女ブランディーヌ

 剣聖クレア

 弓姫アンナ

 賢者ジル

 妖精姫エルミーニア



 聖女の刻印が、堕ちた聖女の胎児に宿ったのは何の因果か。

 元剣聖の魂と女神の加護を持った半吸血鬼、聖女リリス。

 彼女は、唐突に頭に鳴り響いた神託を不信に思い、女神に確認をして現状を把握した。

 直ぐに魔王カンデラリアに報告し、今後の方針を相談する。


 魔族側で浄化しつつ、戦線を維持した方が良いのではないか?


 聖女としての治癒力と剣聖として培った技量に加え、吸血鬼特有の身体能力と魔眼を持ちつつ弱点を克服したダンピール。

 反対するエステルをあの手この手で篭絡し、最後には手段を選ばず泣き落とした。


 相手に舐められないように、漆黒の外套を身に着け、レナトと名乗っている。

 フードを深く被り、同色の仮面を装着した姿は不気味さを醸し出している。

 武器は自らの血を媒介にして作成するが、多種多様な近接武器を修めた剣聖の名は伊達ではない。

 小さな身体でも威圧感を与えるため、レナトのときは大鎌を愛用している。


 勇者パーティとも、何度か遭遇している。

 見知った顔もあった。

 

 剣姫クレア、賢者ジル、ブランディーヌ王女の三人だ。

 

 クレアは妹、ジルはクレアの婚約者だったはずだ。

 歴代の剣聖を数多く輩出している、アズナヴール伯爵家の令嬢であり、妹のクレア。

 王家に次ぐ優秀な血筋と高い魔力素養を持つ、クラルティ公爵家の嫡男ジル。

 政略結婚ではあるが、活発なクレアが大人しいジルを引き連れて遊んでいたことが思い浮かぶ。


 そして、ブランディーヌ王女。彼女は僕の婚約者だった。

 妹と同年代だから、あのまま生きていたら今頃、結婚していたのだろうか。

 国内における英雄の影響力を考えた政略結婚だから、今なら勇者と結婚するのが有力か。

 

 勇者が召喚されて二年が過ぎようとしていた。




 ――僕は、勇者パーティにいる妹を心配をしていた。

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