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ミツオ・チャンネル  作者: 森茂
Chapter 3 タンポポの綿毛
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拒否

「いた……」

 ノゾミのバースデイビデオを途中で止め、家のどこにもノゾミがいない事に気づいたミツオは、全焼したノゾミのマンションに向かう途中で連絡橋のベンチに座っているノゾミを見つけた。ミツオはコトワリ能力を発現させて視力が向上していて、ビルの上や電柱の上を跳んでいたので、三階相当の高いところにいるノゾミを発見する事ができた。

「もしもし、ノゾミいました」

 ここに来る前に学校へ行ってノゾミを探していて、その時に事情を話した高橋さんも近所を探してくれていたので、報告とお礼の電話をかけながらミツオはノゾミに近づいていった。

 ゆるやかなカーブを描く橋を渡り、土手下の河川公園から吹き上げてくる風を受けながら道路を歩く。屋上能力者の脚力を活かして地上から連絡橋へ跳び上がり、手すりを飛び越えて連絡橋に着地する。現れたミツオの姿に、ノゾミは少しだけ驚きの表情を見せたが、すぐにいつもの無表情に戻った。

 今までは指示に従うだけだったノゾミが、初めて自分の意思を表してここまでやって来た。ミツオはどうすればいいのか分からず、とりあえずノゾミの隣に座って地平線を眺めた。

 風が強いせいか、雲の流れが速い。粛々と進んでいく時間の流れを示すように、夕陽が地平線へ傾いていく。連絡橋の上に等間隔で設置された街灯が、ドミノ倒しのように連続して点いていった。

 ミツオは携帯電話を取り出して文字を打ち込み、ノゾミの肩をたたいて画面を見せた。

『お腹すかない? 帰ろうよ』

 ノゾミは携帯電話の画面を見つめた後、フルフルと首を振り、視線を地平線へ戻した。

 この三ヶ月間一緒に過ごしてきて、初めてノゾミが見せた拒否の意思表示だった。

 ミツオは目を閉じ、脳味噌の左後ろに意識を集中させた。暗闇に浮かぶテレビのアンテナを伸ばし、エネルギーを取り込む。

 ミツオは大きく息を吸い込んで、ノゾミの頭に手を置き、全身に力を込めてアンテナに取り込んだエネルギーをテレビへ流した。

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