第八十六話 4人でダンジョン
新必殺技の確認が終わりしばらくたったある日の朝。
俺の部屋のドアが思いっきり叩かれた。鍵を開けないと入ることができないので強めに叩かれている。
「レイルダンジョンいこう」
今ドアを叩いているのはエリザ姉ではなくペルナ姉みたいで、なぜか優しい声で言ってきた。珍しいが、手加減練習のためにあそこのダンジョンの敵で試したいから久しぶりに行くか
「行くよ」
「ほんとに来てくれるの」
俺が鍵のかかったドアを開けて、ペルナ姉に答えると驚いたようた様な表情から笑顔になって、中央階段に向かって走っていった。久しぶりに会ったからうれしいのかな。
「うん、行くから待ってて」
「エリザ姉レイル来るって」
「ほんとに」
俺はそう言い残してドアを閉めて着替えることにした。
最後ペルナ姉が大声で玄関付近にいるのかエリザ姉に伝えて、エリザ姉の声も遠くのほうから大声で言ってきたのか聞こえてきた。
「レイア行ってくるよ」
「えっ、今日は行くんですか?」
「うん」
「それでは準備をしますね」
レイアは久しぶりに活動的になった俺に喜びながら、服を着せ替えた。俺は動きやすい服に着替えると、廊下に出たが誰もいなかった。
たぶん、先に玄関で待っているのだろう。
玄関に行くとみんなが馬に乗って待っていた。
ペルナ姉はいつも通りの笑顔で馬に乗って待っているがロベルト兄はダンジョンに行くのは嫌なのだろう暗い表情をしている。騎士は前のダンジョンの護衛隊の時と同じ人たちだった。
ロベルト兄とペルナ姉が増えたからと言って、護衛の騎士たちが増えるわけじゃないんだね。エリザ姉も強くなって50階層くらいには騎士たちのサポートがあれば行けるようになったからかな。
「レイル、何しているの早くいくわよ」
エリザ姉はちょっと怒りながらも、楽しそうに俺に言ってきた。
とりあえず馬に乗るか。
俺の馬は用意されていなかったので、いつもと同じくオッドーネの馬の後ろに飛び乗った。
ペルナ姉は巧みな馬の操縦技術で馬を操って走っている。ロベルト兄もぎこちなく迷いながらも、一応は馬を走らせている。
ペルナ姉は馬に乗れるのはわかるが、ロベルト兄も馬に一応乗れたのか。この馬でダンジョンへ向かうのも訓練の一環みたいなことになってきているから、一人で乗るのは当たり前か。
ちょうど東門と屋敷の間の中間地点で、ロベルト兄が厳しい表情になってきた。
ロベルト兄は体力がないから辛くなってきたのか。馬に乗って超距離歩くだけでも結構しんどいけど走ってここまで来ているからな。エリザ姉やペルナ姉みたいに教育を受ける前から乗っていないのだから、ロベルト兄の反応のほうが正しいのかもしれないな。厳しい表情をしながらも必死に食らいついてきているからな。
ペルナ姉はまだまだ余裕そうで、馬に乗りながら並走してオッドーネの後ろに乗っている俺にさっきから話しかけてきている。
「長い間、部屋で何していたの」
ペルナ姉が聞いてきた。
部屋では何をしていたかな。地上では本体が痛みに耐えていてた体をほとんど動かせなかったときは確か本とか読んだりアニェーゼにもらった薬を試したりしていたけど、痛みが引いてからはほぼ地下世界と地下訓練施設で鍛えていた記憶しかないな。。部屋では本を読んでいたから勉強とかでも言っておけばいいかな。
「勉強かな」
「ずっと部屋にいたから心配していたんだよ」
心配してくれていたんだ。ペルナ姉は優しいな。エリザ姉とは大違いだ。エリザ姉は心配というよりも競争相手がいなくてつまらないから、俺を早く部屋から出そうとドアのカギを壊そうとしたり、大声を出したりと今日まで毎日俺の部屋の前で朝何かしらの行動を今日まで休まずにしてきているから大変だ。
「心配してくれていたんだ」
「そうだよ。なんかあったらお姉ちゃんに相談してね」
「うん」
ペルナ姉が優しい顔を向けてウインクして言ったあと並走をやめて俺の馬の前に行った。
そう言ってもらえるのはうれしいのだが、なんかペルナ姉は弟に甘いのかわからないがエリザ姉とえらい違いなので、俺の勘違いかもしれないが最近俺に過保護すぎるのではないかと思ってきている。まぁ、今度生まれてくる妹に対してのペルナ姉の反応を見てみよう。それでも俺に過剰に世話を焼いてくるようになったらその時対応を考えようか。
それからエリザ姉を見てみると馬の操縦技術と体力が上がっているみたいで前乗った時よりも確実に馬のぶれもなくなってかなりの速さでも馬の上で平然と乗っている。
ダンジョンでどれくらい強くなったのか戦闘を見るのが楽しみだな。
しばらくして、東門についていったん準備をするため馬を降りて休憩することになった。俺も一人で準備をしようとしているとオッドーネが手を引っ張ってきた。
「レイル様は私が準備しますので、こちらに来てください」
「うんわかった」
他のみんなは自分たちで準備しているけど俺だけ用意してもらえるのか、嫌だな。俺もみんなは教育のために教わりながらやっているからペルナ姉以外、嫌がってやっているけど俺は武器とか選びたいし、オッドーネには悪いが自分でやったほうが、早く終わって楽なんだよな。それに着替ると裸をジロジロ見られるのは慣れているが、恥ずかしいのは慣れていても恥ずかしいんだよね。
それから俺はすべてオッドーネのやりやすいように気を配りながら体を動かして着替え終わった。今回の防具は革製のライトアーマーみたいだな。剣もまた今回新しく4歳になって背も伸びたため作らせたのだろう、新品の両手持ちも出来る直剣を渡された。
たまには剣以外の武器も使ってみたいな。確かここの倉庫にあるはずだから、他の武器も使って行ってみようか。
「武器倉庫から自分で好きなの持ってきてもいい?」
「武器ならもう用意されていますが」
オッドーネは俺の背負っているさっき渡された直剣を見ていった。俺はさらに諦めずに粘って言ってみた。
「それも持つからさ、他の武器も使ってみたいからいいよね」
「はい、いいですよ」
オッドーネは仕方ないですねと妥協した顔をしながら言った。どうやら、武器をとってきてもいいようだ。
よし、これで何とか。他の武器の持っていくことができるな。まだ剣と刀以外の武器はまだ一度も地下訓練施設以外では使ったことがないんだよね。
地下訓練施設では様々な武器の練習をして様々な技も開発したり今も開発しているけど、今まで使う機会はあったけど、剣を選んでいたからな使ってなかった他の武器もようやく実戦で試せるな。
「じゃ、倉庫行ってくるから」
「待ってください、私もついています」
俺はオッドーネに話して武器の倉庫に走って向かうとオッドーネもその後を追って走ってきた。
迷子とかになるかもしれないと思って心配になって見守りに来たのだろう。
俺は武器倉庫に扉を開けて中に入った。倉庫の中には大量の武器が保管されていた。
おぉー、なんでもあるな。どれにしようかな迷うな。
俺は一つずつ見ていきたいと思ったけど、すぐに出発すると思うので待たせるのは悪いと思い、すぐに武器を選ぶことにした。
「これにする」
「弓矢ですか、わかりましたちょっと待っていてください」
オッドーネは少し何かを考えた後そう言い残して武器倉庫から出て行ってどこかに消えていった。
俺が選んだ武器は小さめの弓矢で、この弓矢なら援護とかできそうだし他の斧とか槍とかだと集団戦をしたことがないので味方に当てる危険性があるからな。弓矢なら味方にあてないで済むから近接戦も戦える小さめの弓矢にした。




