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第八話 本を見る

 生まれてから10ヶ月がたった。


 柵のベッドは撤収されてもとからあったすごくでかい天蓋付きベッドに寝かされるようになった。


 マリー母さんかメイドのレイアが俺の後ろに付いてきての屋敷内の自由行動は許され始めた。階段の上り下りも許されていた。


 一回この屋敷全部をすべて回ってみたがこの屋敷は広くなぜかこの家にはかなりの女性騎士とメイドが住み込みで働いていることが分かった。


 なぜ、こんなにいるのだろうかと疑問に思ったがまだ俺は複数の単語をしゃべられない設定なので、マリー母さんから聞くことはできない。しゃべれないことは不便だったな。

 

 俺は図書室に行くために今日は本格的にしゃべれることを今回も。マリー母さんに見せてあげるようか、ついでに走っている姿も見てあげようかもう俺の成長ぶりには耐性がついてきていると思うから、多少おかしなことがあっても大丈夫だろう。


 しかし、柵付きベッドがなくなったせいか俺の部屋の中にメイドのレイアが夜も朝も俺を見守りに、寝止まりに来て一緒に天蓋付きベッドで寝ている。


 うれしい状況だがこれだけ近い距離だと魔力を纏うと気づかれてしまうため気を配らなくてはならなくなってしまう。俺は分身が眠っているから睡眠がいらないためうれしい反面、面倒くさい状況だ。


 そろそろ朝だしいい機会だ。今回はマリー母さんじゃないが起こしてあげようしゃべりながら


「朝だよ。起きてレイア」


 耳元に近付いてしゃべってみた。


「ひゃう。ふぇ~、あぅ」


 なんか変な声を出したな。


 その声と同時にすぐにものすごい勢い起き上がったが俺にぶつかりベッドに戻っていった。


 どうやら気絶したようだ。俺の体は順調に成長しているな。最近いろいろと魔力で体にいろんなことができるのを知って夜な夜なレイアが起きるまでそれを使ってばれないように遊んでいる。


 今日は体を土属性で土みたいに固くして至近距離のレイアにばれないように遊んでいた。初めて俺以外の人がこの魔法に触れた初めての反応だったのでちょっとこの結果は面白かったな。


 やはり体は固くなっていたか。大人にもちゃんと効くみたいだな。


 しかし、レイアには見せられなくなったな。仕方ない誰に見せるか。やはりマリー母さんに見せようか。


 俺はマリー母さんの部屋に行った。


「マリー母さんおはよ」


「おはようレイル?あら、言葉が上手になったわね」


「レイアから学んだ」


「レイアから教えてもらったの?」


「う……ん」


 マリー母さんに言葉がうまくなったことを褒められレイアから学んだことにしてみた。マリー母さんが確認のためもう一度聞いてきたので一応肯定しておいた。


 反応は前みたいにすごくはなかったな。全然怪しんではいないな。とりあえず本題に入るか。


「本が読みたい。読んできてもいい? 」


「いいわよ。ところでレイアはどこにいるの」


「まだ寝ているよ。それよりも図書室行ってもいい? 」


「いってらっしゃい。もう、レイアったら早く起こさないといけないようね(バキッ)」


 何か木が割れる音がしたがとりあえず行くか。


 ようやくだ。長かった我慢してここまで疑われずに無事に来たな。これで目標達成だな。


 ここからは、しばらくこの国の魔法や武器や兵術、算術、薬草などを勉強していくか。言語とか文字の問題はスキルがあるからもう終わっている。


 いろいろ本を速読してみて、一応言うが速読はこの世界のスキルではなくもともと地球でもできていた技だ。見たところ算術は値段や普段使っていく足し算、引き算位ができればいいみたいだな。掛け算や、割り算などの計算はないみたいだ。ひたすら足し算割り算を複雑にしたものぐらいしかないな。


 兵術と武器は地球で言うとヨーロッパの中世当たりの戦い方や物だった。この分野は勉強しなくても大丈夫だろう。中二病だったころに散々調べた。


 世界史ではある一転から文明が世界が滅びかけ様々なものがなくなったが何とか生き残ったと書かれていた。


 壮絶だな。


 今は人間中心の国、エルフ中心の国、獣人中心の国、魔国があり、魔国とそれ以外が同盟を組み戦っている。魔国は力を合わせないと勝てないそれだけ強い国であるみたいだ。


 まぁ、定番だよね。これらが主な出来事らしい。


 国の歴史、帝国歴史は何百年か前から十年に一回勇者召喚を行っていて、勇者の国がありそこの勇者たちは協力する国がピンチになったら派遣している。


 勇者の命は永遠で不老らしい。ここに部活の仲間たちがいるといいな。まぁ、これは後回しでもいいか永遠の命だしね。


 各国は広大すぎる土地なので固定されている転移ゲートがたくさん普及していて移動手段になっているみたいだ。すごく便利だな。旅行とか簡単にできるんじゃないかな。


 貴族名簿もあった。この家のことも書いてあるなロマーノ・オルトシーニと書かれていた。オルトシーニ家は代々優秀な魔法使いが多い家柄で、騎士団長と結婚したため教育方針が変わったのか、今はわからない。


 ロマーノ父さんは完全に尻に敷かれている状態だしな。マリー母さんが騎士団長だったとはね。


 辺境の国の侯爵位の貴族である。詳細情報まで書いてあるな。素晴らしい。


 こんな感じでしばらくたち。この間昼食をマリー母さんが持ってきてくれていたりしてきてくれたらしいが訓練に集中していて気付いていなかったな。


 魔法は表紙に精霊と神が作ったとされたと書いてある。とりあえず、持ち帰って初心者編をじっくりと見て見るか。あと、武器の一覧も今後買ったり作ったりしたいから参考のため持ち帰るかな。


 そろそろ、呼びに来るだろもう外は暗くなり始めている。


 とりあえず冷めた昼食を一瞬で食べ終え。さっき選んだ本を持っていってもいいかマリー母さんに来たら聞くか。


 おっと、噂をすればなんとやら。


「マリー母さん、この本を部屋に持って行って読んでもいい? 字がわからないからレイアに読ませてもいい? 」


「いいわよ。もっと持っていったら? あなたが飽きるまでとことん読ませてあげなさい」


「うん。わかった」


 うぉー、危なかった。


 字を読んでいるところ見せたことのなかったのに強引な文字が止めないアピールをしたが大丈夫か。マリー母さんは何やら怒っているようで気付いてなかったみたいだ。運がよかったな。しかも、なんか乗り気だな。


 他にも何冊か魔法の書を持ちだして部屋に持って行った。


 部屋のドアを開けるとしょんぼりとしているレイアがいた。


 なんで、だろうか。まぁいいか。


「レイルが持ってきた本を全部読んであげなさい」


「はい、わかりました」


「それとレイルは言葉が上達してきたから、変な言葉を覚えさせないでね。私は部屋に戻るからおやすみ」


「はい、おやすみなさいませ。それではレイル様本を読みましょうか。この本ですか。すごいですね。魔法の本を読むなんて。では読みますね。布団にきてください」


「うん、わかった」


 美人な人と一緒に布団に入るとは意識してみると緊張するな、だがそれよりも魔法のほうが気になりすぐに布団に潜った。


 しばらく聞いていたが俺にあわせてくれているのか読むスピードがすんごく遅いし、レイアは何だか眠くなってきているようだ。少し経ってレイアは眠ってしまった。仕方ない一人で読むか。

 

 朝になった。


「レイア、おはよう」


「おはようございます。レイル様」


「今日も図書室いく」


「はいわかりました。いきましょうか」


 レイアに許可を取り俺は図書室を目指した。途中で廊下を歩いていたマリー母さんに会った。


「マリー母さんおはよう。今日も図書室行ってもいい」


「いいわよ。昨日は本をちゃんと読んでもらえたかしら」


 マリー母さんにも一応図書室に行くのは伝えておこうかと思い伝えてみた。


「(ギクッ)」


「読んでないのね。レイアちょっといいかしら」


 昨日読んでないことが今のやり取りで分かったらしい。


「レイル図書室に行っていいわよ。ちょっとお母さん、レイアと話すことがあるから」


 俺はとりあえず図書室に向かった。しばらくは図書室に入りびたりの生活が続きそうだな。

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