第七十八話 お菓子作り
俺らがダンジョンから戻ると夜になっていたので、みんな疲れたのかすぐに部屋に戻って行った。
まぁ、ダンジョンは疲れたな。
俺は一人になった厨房でお菓子を作りながらそんなことを思っていた。
俺はたまに誰もいない時間を見払って一人で匂いの少ない料理を作っていたりしているときがある。
今日は何となく、お菓子が食べたくなったのでお菓子を作りに厨房に作りに来ている。
今日は簡単にジャガイモを使った料理を作ろうと思いここにいる。多少は無断で材料は使っても問題ないからな。俺はボックス型のアイテムボックスを開けて材料を取り出す。
このボックス型のアイテムボックスは箱の中がアイテムボックスになっており、その中に手を入れれば、何が入っているのか手を入れた人の脳内に直接送られてきてわかる。
さらにアイテムボックスなので、アイテムボックス内は時間が動かないので材料が腐らない便利なものだからな。冷蔵庫なんかより便利だ。このボックスは料理店や、貴族の家にはほとんどあるものだからすごくはないみたいだけどね。
俺はたくさんあったジャガイモを数個取り出して、あと牛乳を取り出した。牛乳はこの屋敷の西の10km位のところにある庭のところの牧場でとってきているみたいで常に新鮮な牛乳が置いてある。
まぁ、俺とかこの家の主はほとんど自由に飲める。
とりあえずジャガイモを台の上に乗せて俺は乗るいすを置いて、壁につるしておいてあるピカピカに磨かれ銀色に輝いている鍋をとって準備の出来上がりだ。
俺はまずジャガイモを流しで、土を洗い流して包丁でジャガイモの皮をむいていく、皮をむく作業は難しいと思ったけど案外簡単なもので、すぐに向けた。
鍋に水を入れる。俺は自分で火属性の魔法ファイヤを発動させて、その水を沸騰させて皮をむいたジャガイモをその中に入れてジャガイモを柔らかくする。
その間に俺は牛乳を振ってバターを作る。今の俺なら牛乳からバターを作るのは数秒でできる。そして茹でたジャガイモをジャブで速攻つぶして、鍋に大量のバターと牛乳を加えて弱火で混ぜ続けて、最後に塩と砂糖で味付けして、変え団子状に丸めて確実に体の悪いバタージャガイモ団子が出来上がった。
まぁまぁおいしいかなこれを揚げたりしたらおいしくなるんだろうけど、油はめんどくさいらな。まず、油の処理と、今風魔法で行っているみんなにばれないように匂いを外に逃がしているのでばれないんだけど、油を使うとどうしても音が漏れてしまうからな。
その時、ドアの後ろに誰かが立った。
誰か来るみたいだな。足音からして大人だろう。騎士なら大丈夫だ。
「誰かいるんですか?」
「あ、エイダか」
「レイル様でしたか」
扉から、現れたのは料理長のエイダだ。まぁ、そろそろ朝になるころだし料理好きのエイダなら早く来ても不思議ではないな。エイダなら別にばれても大丈夫だろう。
「何を作られているのですか?」
「お菓子、食べてみる」
「はい」
俺は団子状にしたジャガイモをあげた。
うーん、俺の口に合わせたものだからエイダが気に入るかわからなから不安だな。
「おいしいです」
薄口の反応だな。エイダの場合ちょっとは他の人と比べて反応が分かりにくいからな。今あの反応だけではわからない。どうなんだろうと俺がエイダの顔に近付けてみた。
「ほんとですよ」
「ならよかった」
ほんとにおいしそうな表情をしたので、よかったのだろう。おいしく食べてもらえてよかった。まずかったら気まずいからな。
「お礼にクッキーをあげます」
どうやらエイダの合格点には達したらしいな。クッキーをもらえるということはそういうことだからな。
「ありがとう」
「あのもう一つくれますか」
「うんいいよ、はい」
エイダはもう一度食べたくなったのか。俺に言ってきたので俺はたくさんある。ジャガイモ団子をエイダに数個挙げた。
「ありがとうございます」
「どうやって作ったんですか?」
エイダがこのジャガイモ団子に興味を持ったのか。このじゃがいも団子の作り方について聞いてきた。こんなもの作の朝飯前だから、別にエイダなら少し試行錯誤すれば、すぐにでもできそうなものだからな
教えてあげようか。
あの感じを知ればエイダならいろんなことができそうだからな。実際じゃがいもを鍋に混ぜてさらに牛乳を加えると、フランス料理でよく使うソースやいろんなものが作れるからな。
「今からやるから見てて」
俺はエイダが来たので風属性魔法でにおいを広がさないように、逃がしていた魔法を止めて、エイダに作り方を教えてあげた。
俺は余ったジャガイモ団子を袋に入れて、腰にぶら下げておいた。今日の朝食は何を作るのだろうか。
「今日は何作るの」
「今日の朝食は野菜スープとパンですね」
いつも野菜スープだが、野菜スープにもいろいろあってミネストローネ風や、ボルシチみたいなのが毎日出されていて飽きない。
パンはここだと主食だからな。俺はどちらかというと最近米が、恋しくなってきたが米文化は勇者の国にしかない。たぶん他国にはその製法を伝えないようにしているのだろう。
大体いつもこんな感じでたまにスクランブルエッグが出てくるくらいだが、スープもパンもおいしいし、パンは焼き立てを毎日作ってくれているから、文句は言えないな。
「僕も手伝うよ」
「それでは野菜切ってもらえますか」
「わかった」
俺は何回か、エイダと朝に朝食を作っているのでエイダはそれに慣れたのかすぐに俺に指示を出してきてくれた。最初のころは遠慮されてきたけどここ最近は、信頼を得て手伝う俺にたいしてエイダは何も言わなくなってきている。
俺はエイダに指示のもと、エイダが持ってきた野菜を受け取り俺は水魔法で野菜を洗った。この水魔法で野菜を洗うのは最初は驚かれたけど、今では俺が水魔法を使って野菜を洗うことは驚かれていない。この家が魔法の名家ということが大きいだろう。
それから、野菜をちゃっちゃっと切ってエイダに渡した。
「ありがとうございます。あとは私がやりますので」
何もすることがなくなったので俺は椅子に座りエイダの料理姿でも眺めることにした。スープ作りやパン作りはエイダがこだわりを持っていそうなので、手伝わないようにはしている。
特にスープは人それぞれでしかもエイダは料理長なので、しっかりと味を決めていそうだからたぶん、怒られることはないが印象が悪くなるだろう。嫌われたくはないからね。
俺はエイダの料理を見ていると、今小麦粉を持ってきてパンを作り始めようとしていた。エイダは台に小麦粉を広げて、水と塩を加えてこねて少したってそれを発行させるためほっといて、今度は寸胴鍋に水を入れようとした。
「エイダ置いといていいよ。ウォーター」
「ありがとうございます」
エイダが流しで水を入れようとしたので、俺は面倒だから寸胴を置いてもらい水属性の魔法ウォーターで水を入れてあげた。
エイダは軽くお礼を言った後、魔道具の上に寸胴を載せて魔道具に魔素を流して火をつけて、お湯を沸騰さて野菜を入れて煮込み始めた。
しばらく、寸胴を除きながら灰汁をとって洗い物をして、発酵して膨らんだパンを竈に入れて焼き始めていい匂いがし始めた。
そのあと、寸胴にいろいろ入れてさらに煮込んだ。スープからもいい匂いがし始めてきた。
「レイル様味見します?」
「うん、大丈夫だと思うよ」
「そうですね」
エイダはスープに味をつけ終わると、俺に味見を誘って聞いたので俺も一応味見をしてみた。
うん、問題なくおいしいな。
エイダも味見をして大丈夫だと思ったのか、火を止めてそのまま蓋をした。どうやら仕込みは終わりのようだな。そろそろ部屋に戻るか。
「エイダ僕はもう部屋に戻るよ」
「はい、今日もありがとうございました」
俺はエイダに別れを告げて厨房のドアを開けて出て行った。エイダは頭を下げながら俺にお礼の言葉を別れ際言った。
そろそろ、朝練の時間か。
俺はそう思いながら部屋に戻っていった。




