第七十話 レイアとペルナ姉
俺はアニェーゼと3日くらい話し続けても、薬の話が終わりそうになかったので俺はまぁ、話の種もなくしたくないので話を中断して、アニェーゼと別れた。
なんかアニェーゼに気に入られちゃったな。最後のほう俺に近寄ってきて、密着しながら話していたからな。楽しかったのだろう。
俺は分身を地下訓練室に戻して、強くなるために訓練を改善してからさらに3日が経ち、エリザ姉との模擬戦の再戦日になったので今日俺は地上にいる本体に意識を移した。
今本体はリヴィアに剣を教えてレイアの隣に戻り、横になっているところだ。外は雲一つない晴天に恵まれている。
今日も室内でやるのかな。どこでやるのかわからないが、できることなら朝練の時に外でやりたいな。気持ちよさそうだし、レイアの表情をみんなに見せられるから楽しそうだからな。
俺は横で眠っているレイアを見ながらワクワクして朝練の時間が来るのを待った。レイアも起き俺も着替え終わり、いつものようにペルナ姉とラヴィニアと会ったが、もう遊ぶのが飽きてきたのか。少し会話が少なくなっている。
そろそろ、一緒に寝ることをやめてラヴィニアはリヴィアと一緒に寝てくれるかな。もうそろそろ、話すことがなくなってきてしまいそうだからな。女の子の会話は俺にはわからないからな。
最近は訓練だけで寝るまで頑張って話をつないでいるのが、リヴィアからも最近積極的に話してくるようになったから、その時にやはり女の子同士で会話したほうが時々いいのかなって思ってしまうからな。早くラヴィニアには部屋に戻ってきてほしいな。
でも、イーベルもラヴィニアをなぜか気に入り始めてきているからな。早めに対処しないと、戻ってきそうにないな。ちょっと、俺からアプローチしていくか。ルカはイーベルと違ってリヴィアとは仲良くもならず、仕事を少し押し付け、会話も少ない、冷めた関係だから、仲良くなることは当分ありそうにないな。
ほぼ俺が原因なんだけどね。
俺はペルナ姉の後ろにいていくと、ラヴィニアが俺の袖を引っ張ってきた。
「レイル様今日私と模擬戦、組んでくれませんか」
ラヴィニアが笑顔を向ながら、珍しく模擬戦の誘いを言ってきた。
珍しくラヴィニアが俺を模擬戦に誘ってきてくれたが、今日はエリザ姉と戦う可能性があるからな。模擬戦で初めて組むラヴィニアよりも、事情もなんとなく把握している融通の利きそうなリヴィアと組みたいな。
「うーん、今日は無理かな」
「そうですか」
ラヴィニアは仕方ないなとすぐに引き下がってくれた。
ラヴィニアとも一度は戦ってみたいが、今度でもいいだろう。今はレイアが重要だから、そのためにはエリザ姉と戦わなければ意味がないからな。
「今日はリヴィアとエリザ姉と組みたいからね」
「今日もお姉ちゃんと組むんですか」
そうだな。リヴィアとは最近、一緒になることが多いし、俺も教えているからそれは一緒にというより、エリザ姉は騎士と組んで、ペルナ姉もラヴィニアと組んで誰も俺と組もうとしなかったから必然的に残りがリヴィアだけになっていたからな。
「うん、そうだよ」
「今日もですか?」
それにしても今日はよく俺にしゃべりかけてくるな。どうしたのだろう。急に、俺にでも興味を持ったのだろうか。何かしたかな。ラヴィニアの調子でも悪いのか。うーん、わからないな。
「どうしたの? 今日は」
「何でもないです」
ラヴィニアは急に俺からは離れ、話を切り上げて俺の後ろについた。俺はなんだろうと疑問に思いながらもペルナ姉の後ろをついていった。ラヴィニアは知らない顔をして俺の後をついてきた。まぁ、これからレイアに面白いことをするから細かいことは気にしないで、行こうか。
練習場に到着するとやる気満々のエリザ姉が、木剣をブンブンと音を立てて、かなりの勢いで素振りをしていた。
これは今日中には確実に試合を申し込んできそうだな。これでうまく俺がやればレイアを陥れることができる。
その前にいかにして、エリザ姉にばれないように立ち回らないとな。また接近戦をするか。いや、人目も多いし、今回は防御重視で押されて負けたほうがよさそうだが、競って勝ったほうが、レイアのために用意した作戦的には…うーん、もっと言えば最初有利に立ち回ってから負けたほうが効果は絶大だろう。そういうことなら、他の人が気づかずに俺と戦った本人にしかわからない戦い方で行くか。
レイアには思いっきりばれたほうが面白いから、朝練だったらレイアの近くに誘導してエリザ姉との会話の内容を思いっきり聞かせることにしようか。
そろそろ素振りの時間か。
俺も木剣を持って素振りを始めた。レイアを見てみると、のんきに素振りをしていた。
そんなのんきに素振りをしていられるのも今のうちだぞ、レイア明日からは愉快痛快の日々を送れるから、喜んで待っているといい。
俺は心の中でそう言いながら、素振りをしていた。
「ねぇ、レイル今日一緒に模擬戦しない?」
レイアが悔しがる光景を想像しながら素振りをしているとペルナ姉が近づいてきてラヴィニアと同じように模擬戦を誘ってきた。ペルナ姉とラヴィニアは一週間、朝昼晩散々、一緒に遊んでいたので飽きてきたのかな。
子供どもだからありえないかもしれないが、飽きたからと言って俺を誘わないでほしいな。ロマーノ倒産は忙しいしロベルト兄はそんな活発には行動しないから外すとして、エリザ姉は戦いになるから誘うことはないか。
リヴィアを誘えばいいと思うんだけど、やっぱりエリザ姉のメイドをしていてエリザ姉が近くにいるからなのかな。マリー母さんは妊娠していて、ペルナ姉は優しいから大変そうだと思って遠慮しているのだろう。そうなると、残るは俺だけか。
ペルナ姉は気が知れた仲だし、優しいからこちらも相手をしていて意外と楽しいのでいいんだけどね。
でも今回はペルナ姉には悪いが今日は予定があるからな。断らせてもらおうか。
「ごめんペルナ姉今日はエリザ姉とリヴィアとやるから、また明日とかに」
「うん、じゃ、明日やろう」
ペルナ姉は迷いもせず、すぐに答えてくれた。
すがすがしい返し方だったな。文句も言わず受け入れてくれるとはペルナ姉の誘いなら快く受けようか。
「うん、分かった」
俺の言葉を聞くと、ペルナ姉は俺の邪魔にならないように、すぐに自分の元いた位置に戻っていった。ほんとに気が利くいい姉だ。ペルナ姉は人に好かれる才能でも持っているのだろう。
ペルナ姉の周りはだいたいなぜか笑顔だし、騎士たちからは兄弟の中で一番かわいがられているからな。エリザ姉と騎士たちの対応が正反対で見ていて面白いんだが、エリザ姉の場合は困惑や面倒な顔をするが、ペルナ姉の場合は温かい目だったり、笑顔だったりする違いが目に見えて明らかだからな。
ちなみに俺とロマーノの場合は専属のメイド以外普通の対応だな。目立ってないから俺にとってはベストだけどね。
たまに怖いと思う時もあるんだよね。ペルナ姉がちょっとおねだりとか、してほしい人とかに言うと、俺とエリザ姉はたまに断るが、面白いことにみんな断らないからな。ペルナ姉が何かしているんじゃないかって思う時があるんだけど、才能なのかな。
わからないことは、なんで、俺を誘ってくるのだろう。ペルナ姉のことだし、悪意はないと思うが何かの勘が働いているかもしれないな。これは俺の自意識過剰なのかな。
あっ、そろそろ素振りが終わるな。




