第六話 訓練施設
そして、夜が来た決行の時だ。
俺は分身を使用した。ベッドの隣に分身の俺が現れた。
よし、うまく発動したようだ。分身に俺の五感を共有させリモートで操作する五感共有もうまくいった。自分の姿を見てみた。俺の姿を見てみるが本当に赤ん坊だな。
布おむつをつけられているが、俺は一度も漏らしたことはないため最初は、マリー母さんに不思議がられたが、エリザ姉は逆にすごかった例もあり、あんまり気にしてえいなかった。エリザ姉には感謝だな。
よし、行くか。俺はベッドの柵を自然同透化で通る。無事に通れたようだ。
通ってみた感想は特に何もなく、違和感や体への影響はなかったなそこに何もなかったように通れた。次に扉もそのまま通り抜け廊下に出た。廊下は月明り以外の明かりがない真っ暗闇だ。
俺は身を低くしながら素早く移動する。中央にある階段についた。あたりを見回してみるが誰もいないようだ。いや、警備員が来た。俺は階段の手すりに身を潜める。
どうにかやり過ごしたようだ。
階段を静かに足音を立てずに素早く降りたと同時に隅に移動し自然同透化を1.5mに設定して床に対して使用1.5mまで俺は落ちた。
無事に地中の中に入れたようだ。急いで地中に入ったせいで方向感覚がわからないなどうしようか。適当に掘るかかなりの深さがないと俺の訓練とかの振動が伝わってしまうと思うから下にさらに200m下がってからトレーニングルームを作ったほったほうがよさそうだね。
俺は2mずつ下にさがる。これくらい地味な作業でも俺はめげないよ。百回くらい同じ作業だったけどめげないよ。ちょっと自分で強がってみたりしてみた。悲しくなってきたな。ようやく200mくらいのところに着いたぞ。
ここからが本番だなどうやって穴を広げるか、今の俺の状態では自然同透化が発動しているので何もつかめないし地面に同化している状態だ。俺はここまで隠れて地面の中に行けた成功の余韻でうれしくて何も考えず来ていた。
190m地点くらいには気づいていたんだけど後戻りはできないしもうこのまま行っちゃえ精神でいまここにいる。どうするか、今わかることは確実に実体化したら地面に圧縮されて死ぬということだけだ。
この状況を打開するには俺の創造しかないな。さーて、どうするか。掘ってみたらここは家の下になっていてどう対応していいのかわからない。むやみやたらに手を加えても家に被害はないのかとかしばらく考えた。
地上への影響を考えて家から離れたところに作ったほうがいいと思いさらに横に300メートル位移動した。あとは簡単で一気に移動した。ここにもいろんな地層が見えるが上には何もないはず。ここなら何かしても家に被害は及びにくいと思う。
とりあえず、地面を圧縮してみよう。確信はないが圧縮すれば丈夫な柱が作れて空間も広がると思う。早速やってみるか。
俺は本体に意識を戻し創造を発動する。圧縮と書かれた紙が現れそこに俺は対象を圧縮することができる。元の形に戻すこともできると紙に書き、紙を破り飲み込んだ。少し俺の体が光り、圧縮が使えるようになった。
また分身に五感を共有させて今覚えた技を反映させる。そして、圧縮を発動させた。地層を柱上に圧縮した。一回で作れる柱は一本しか作れなかった。
高さは10m位で円の形で圧縮を行い直径10m位の円状の空間と柱ができた。それを百回くたい繰り返た百本くらいの柱ができたがそれらも、一つ数個でまとめてさらに圧縮して一つの太い柱にした。
疲れた。流石に慣れない魔法で面倒くさい作業だったな。この作業で一時間半くらいかかった。そして周りの壁になる部分を圧縮で押し込み無理やり平らな壁を作った。
それから、一時間がたちついに俺の訓練室が完成した。地上が家と被らないように横1㎞、縦1㎞の正方形の部屋ができた。
あとは空気を確保するだけだな。ここは訓練室だから少ない空気が確保できればいいかそれは寝てから考えようもう眠くなってきた。
本体に感覚を戻した。外は少し明るくなっていた。
さすがに疲れたー。
この体で初めての重労働。ベッドだけで鍛えていたし赤ちゃんであることもあり、生まれて6ヶ月早くも筋肉痛になりそうだ。もう眠くて思考が鈍くなってきたな。
寝るか。と思いながら俺は瞳を閉じ暗闇と睡魔に身をゆだね眠りについた。
「あら、珍しいわね。レイルがこんなに起きる時間が遅いなんて体の具合でも悪いのかしら。昨日たくさん運動したせいかな。すごく疲れているけど少し笑っているような寝顔をしているわ。無理に起こすのも悪いし今日はどこにも連れて行かないで寝かせてあげましょうか」
「そうですね。なんか満足をして寝ているみたいですね。少し喜んでいる寝顔ですね」
「それにしても、笑っている顔はかわいいわね。普段見せない顔だから。うれしいわ」
「本当ですね。いつか、感情豊かになりますよ。まだ0歳なのですから。希望がありますよ」
「そうね。感情豊かになってくれると嬉しいわ」
そう言ってレイルの顔に手を置いてゆっくりと優しくなで始めた。
うん、なんか肌に感じるな、どうやら撫でられているようだ。気持ちいいがいろいろ言っているな。
このまま寝ながら分身と五感同調をして訓練に入るか。分身は昨日から訓練室で待機している。俺はその分身に意識を移した。これで心置きなく訓練ができる。
まず、どういった訓練をするか決めていこうか。分身は使う、俺の分身は感覚共有で分身の経験値もその場で経験したこともすべて俺の中に入れることができる。複数共有しないものもあるがさすが神に頼んで作ってもらった便利なオリジナル固有スキルだ。
しかし、一体召喚するには結構な魔力の量が必要だ。今の俺では一気に召喚できる数は少ない。一度魔法を使えれば魔力はすぐに回復できるから関係はないけど、とりあえず百体くらい召喚して各自に訓練をさせるか。
俺は分身たちに各自の練習メニューを作りそれを永遠とやってもらうことにした。練習の内容は俺の体力作りやいろんな身体機能を上げる訓練、武術、武道、属性ごとの魔法強化、覚えたスキルの確認などを地面に書いて頼んだ。分身たちが各々訓練をし始めた。
まだ、武器での訓練とこの世界の魔法の使用はまだできない。武器は調達できないし違う世界の魔法がどんなものかわからない。創造で作ってもいいけど既存の魔法よりはコストが大きくなってしまうため、できればこの世界の魔法を使いたい今は手を付けないほうがいい。
そのため、基礎訓練を重点的に行うことが今できる最善の訓練だと思う。
そして一時間くらい分身たちを観察してみてちゃんと動けていたので大丈夫だろう。分身に何かあれば本体の俺にも何かしらの反応があるから気付くだろう。よし、本体に戻るかな。
これで訓練は次の段階に移行したな。経験値と経験が分身から入ってくるので本体の俺は分身の操作の向上とここの魔法と武器の調達が最優先になったな。
魔法はたぶんこういう家には書斎や図書館みたいなのがあると思うからそれがあれば魔法は問題ないな。なかったらロマーノ父さんから教わるしかない。
あっ、そうだ。俺は武器についてひらめいた。圧縮と創造で訓練用の武器は作れるのではないかと今更思いついた。その案で行こうか。
地下施設の周りの壁を圧縮して武器を作れれば、訓練の問題は一つ解決するな。早速行って物形状変化を創造で作り出そうか。
この魔法は質量は同じのまま形状を変化できる魔法、大きさは極端には変えられない変化させるものの大きさと質量が大きいと魔力消費量もそれに応じて消費されると紙に書き。紙を破り飲み込んだ。体が光に包まれ。物形状変化が使用可能になった。
そして、圧縮魔法を使い形を小さくしてナイフや剣などの様々な武器を作り出した。訓練世の武器だから見てくれはきれいでなくてもいいだろう。それに伴って俺は地下施設を同じ大きさの部屋をもう一つ作った。百人ほど追加で分身を出し。武器訓練専用の部屋にした。これで武器の訓練の問題は解決した。意識を本体に戻した。
今日は本当に満足した日だなこれからの問題もあるがかなりの進展をした一日だった。
寝たふりこのまま続けていたいがそろそろ起きるか。
俺は寝なくてももう大丈夫になった。これは分身能力のおかげだ一人の分身を眠らせている。これを感覚共有で他の分身や本体である俺に送って睡眠をしたという経験になり睡眠の問題を解決している。さすがは便利分身、他にもいろいろな機能があるがまだ使っていない。
マリー母さんは俺に気を使ってくれて、起こさないで寝かせてくれていたみたいだな。ま罪悪感があるな。仕方ないか転生者だとばれてはいけないルールを自分で決めたしね。
俺は訓練のため各自練習している分身たちに感覚を共有して訓練を始めた。