第五十二話 エルフについて
「へー、エルフなんですか? 初めて会いました。握手して下さい」
俺はさっきの魔法のコントロールの時よりもさらに倍、増しで興奮してアンニカさんの手を上下に振りながら話した。
憧れだったんだよね。エルフと話すの冒険者になって、エルフの国に行かないと会えないと思っていたから人間の大陸にはエルフはほとんど来ないって聞いているからな。アンニカさんは手を握られて顔を赤くして照れながら、困惑していた。
「生まれはどこなんですか」
「生まれはここの近辺です」
このオルトシーニ領生まれなのか。調べようと思えば調べることが出きるな。しかし、耳が俺の思っていたより、小さいいというより普通の人間と同じだ。
「ここなんですか。耳は尖がっていないのですか」
「エルフは長い耳が特徴ですが、それは一部のエルフ像だけであってエルフによっては耳が小さいエルフもいるようですよ。エルフでも、私の母も耳は尖っていましたが小さかったです。その名残でハーフエルフでも、耳が小さいのだと思いますよ」
へー、俺のエルフ像って耳が長い金髪かと思っているからな。違がったのか。耳の短いエルフもいるんだな。アンニカさんの母親がエルフで父親が人間のハーフかやっぱりハーフエルフも人間と違う能力とかあるのかな聞いてみるか。
「ハーフエルフって人間とエルフとどう違うんですか」
「ハーフエルフはそれぞれ個体差が大きく違って、私の場合は鼻と耳と魔法の能力が高いことくらいであとは人間と同じですよ」
「そうですか」
アンニカさんのご両親に一度会って話をしてみたいな。純エルフ族の体の性能を聞いてみたいなアンニカさんの母親に会えるか聞いてみるか。アンニカさんがオルトシーニ領生まれならすぐに会いに行くことができるかもしれないからな。俺はエルフに会える期待を胸にアンニカさんに聞いてみた・
「一度ご両親に会ってみたいのですが」
「あ、その私の両親は震災で」
興奮しすぎてまずいこと聞いちゃったな。まさか、俺が生まれる前にあった。オルトシーニ領で起きた震災、今もその後処理でロマーノ父さんが復興に手を焼いていて今もすごく忙しそうにしているからな。
確かロマーノ父さんの両親は被災した各地を回り、その場所で復興の手伝いや指揮をしているみたいで、まだ一度もこの家に帰ってこないと聞いているからな。とりあえず、失礼なことを聞いてしまったからここは謝っておこうか。
「すみません。本当にすみません」
「いえ、もう大丈夫ですから」
「エルフの友達とかいないのですか」
「一応ヘレナさんもハーフエルフで、確か父がエルフですよ」
ヘレナもハーフエルフなのか。ハーフエルフってそんなに珍しくないのか?しかし、ヘレナがハーフエルフだとは思わなかったな。金髪じゃないし、耳も尖がっていないから全然人間と区別がつかないな。ヘレナはどこの体の性能がいいのだろう。
休憩をした時にでも聞いてみようかと思ったが、ヘレナの両親の話を聞きたかったので俺はアンニカから離れてヘレナに会いに行こうとした。
「そうなんですか。ヘレナさんもハーフエルフだったんですか気づきませんでした。一度ご両親にも会ってみたいですね。早速ヘレナさんに聞いてきます」
「そ、そういえば私にも確かエルフの友達がいますよ」
アンニカさんは、思い出したかのようにものすごい勢いでヘレナさんのもとに聞きに行こうとした俺を呼び止めた。
他にも知り合いのエルフがいるのか。どんな人なのだろう。俺はヘレナさん聞きに行くことをやめて、アンニカさんにそのエルフの知り合のことについて聞いた。
「本当ですか。今度会ったときその人紹介してくれませんか。どんな人ですか」
「優しい人ですが、今はたぶんエルフ国にいます」
優しい人なのか、一番合ってみたい性格のエルフだな今度ぜひともあってみいたいな。1人くらいエルフの友達がいたほうが、華やかだからな。でも、エルフ国にいるのか。俺が冒険者になったらエルフの国にでも行ってみるか。
うん、モンスターの反応だ。
こんな話が盛り上がってきたときに水を差してくるとは問答無用で倒すしかないな。俺は風属性魔法のウインドソードを発動して、隠れているゴブリンをすべて切り刻んでいった。
「魔法?」
「ゴブリンがいたので倒して起きました」
「ありがとうレイル」
俺の放った魔法に最初に気付いたのは近くにいたアンニカだった。状況を察したヘレナが後ろを向いてお礼を言ってきた。
俺はアンニカと楽しくしゃべりながら、途中出てくる敵はすべて俺のウインドソードで切り裂いていきそれを繰り返して10階を上がることができた。
「今日はここで休憩しようか」
10階上がった階層の狭い階段付近から、少し開けた場所で俺たちは数時間休憩をすることになった。この場所は比較的安全な場所なのだろう。周りに人はいないが、大丈夫だろう。不安になったので周りにモンスターがいないかを確認していると、みんなは先に円を囲むように座り始めた。
「レイル、大丈夫か?」
「大丈夫?」
「大丈夫ですよ」
俺が全部の敵を通していたから、魔素切れを心配して、ヘレナとアンニカが俺に訪ねてきた。
みんなは飲み物や食料を魔法のアイテムボックスや巾着袋から取り出して、思い思いに休憩を取り始めた。
暇だな。武器の確認でもしようか、俺は装備している武器5本を地面に置いた。戦いの最中に投げた武器はモンスターに刺さったまま回収しないでその場に置いてきたから、手入れが簡単そうだな。使えなくなっていたからね。
「レイルは何か食べないのか? これを食べるか?」
俺が何も食べず地面に並べた武器をずっと眺めているのを見て心配したのかヘレナさんが自分の食べている干し肉を差し出していた。こないだチュルボの肉を食べたばかりだから1週間くらいはお腹が空かないから断るか。
「いえ、大丈夫です」
「そうか」
「…」
俺は悪いと思い、断るとすごい勢いでリアナが俺を睨んできたので仕方なく干し肉をもらうことにした。
「その…やっぱりもらいます」
「あぁ、食べてくれ」
「ありがとうございます」
ヘレナは少し笑顔になりながら自分の持っている干し肉を俺に渡してくれた。
干し肉か。俺はヘレナから貰った干し肉を食べた。今までに食べたことのない肉の味だ。これは何の肉だかわからないが、とても味が凝縮されていておいしい。どこで買ったのだろう? 俺の干し肉のイメージってまずいって言うイメージだからな。
是非とも今度干し肉作ってみたいな。しかし、この肉はどこで手に入れるのだろう。この世界には地球で発見されている種類とは比べ物にならないほどの約5倍の種類の生き物が各地で確認されているからな。探すのが大変そうだ。
「おいしいですね。この干し肉どこで手に入れたのですか?」
「あぁ、私も食べてみておいしかったからこのオルトシーニの町の街道で買ったぞ」
「へー」
オルトシーニで管理している町で買ってきたのか。町になんて一度も言ったことがないな。エリザ姉は確か騎士学校にたまに行くだけでペルナ姉もロベルト兄もまだ街に出たことはないらしいからな。
家から出ていく意味がほとんどないから必要ないのだろう。勉強もエリザ姉は6歳くらいから朝練終わってから嫌々始めているが学校ではなく、オルトシーニ家で家庭教師みたいなのを家に住まわせてエリザ姉に勉強を教えているし、騎士としての勉強も家に騎士がいるのでその人やエリザ姉のメイドも騎士なので、個人的に技術を教えてもらっているみたいだからほぼ家で何とかできてしまうからな。たぶん子供のうちは外に行くことは数回しかないと思うな。
俺は地面に置いて確認し終えた武器を鞘に納めて、何にもすることがなくなったので他の人の武器の手入れを見ることにした。




