第四十六話 チュルボ
俺は岩に登り周りを見てみると岩でできた普通のロックゴーレムが1匹徘徊しているのが見えた。
また、ゴーレムか。
一階に現れた時なら興味をもって積極的にテイムしたかったが、アニェーゼが召喚したラードゥガゴーレムを見た後ではテイムをしたいという気持ちすら湧かないな。
どこかに野生のラードゥガゴーレムがいないかな。とりあえず実践訓練するのにはこのゴーレムでもいいか。強さもラードゥガゴーレム並みとは言わないけど強くあってほしいな。
俺は徘徊しているロックゴーレムに近づき片手剣の直剣気を纏わせてをロックゴーレムに剣技・刺散を使って粉々にする。
うーん、切れ味はいいけど両手剣に比べて片手剣は使いにくいな。いつも俺の訓練の時は大剣や両手で扱っていたものが多く、短剣やレイピア系の練習もしているが、もともと短い剣身のため振りが違うしレイピアも普通の剣と立ち回りが違うから両手持ちできるようにもうちょっと柄を長くしてほしいな。こういう剣は剣を持っていないもう片方の手は盾など、何かしら持って戦うことを想定しているから仕方ないんだけどね。
俺は剣をしまい、他にモンスターがいないか探す。
岩や金属以外のモンスターがいいな。岩なんて地下訓練施設でやっている訓練でいくらでも切れるからな。
俺は岩に登りまたあたりを探し出すが、出て来るモンスターはロックゴーレムのみ。
ほんとロックゴーレムしかいないな。早く階段見つけて上に行くか。俺は剣を鞘に納めてこの中の一番高い岩に登り、目を凝らして次の階に行ける道を探す。
あそこっぽいな、行ってみるか
階段に続きそうな細い道を見つけたので近くに行ってみると、さらに奥に道か続いていたので俺は奥に行ってみるとそこにはうす暗いなかひっそりと階段があった。
ようやく見つけた。これがダンジョンの階段か。随分と見つけにくそうな場所だな。なんでこう目立たない作りになっているのだろう。明るいほうが見つけやすいのにな。
そんなダンジョンの不満を思いながらも俺は次の階に上がる。次の階に上がり広いところに出ると下の階と変わらない岩場になっていた。
はぁー、また岩場かもしかしてまたモンスターも同じなのかな。
俺は岩の上に上がりモンスターを探すとロックゴーレムがまた歩いているのが見える。他のモンスターも探してみるが、やはりロックゴーレム以外見当たらないな。たぶんあと数階この状況が続きそうだな。新しいモンスターが出るまで無視して進むか。
俺はロックゴーレムに気付かれないように隠れながら進み、4階上がると景色は変わらないがようやく新たなモンスターが見えた。
「ワン」
岩の犬?ロックドックか、また岩のモンスターか、この分だとまたかなりの階上がらないといけなくなりそうだ。
ロックドックとは岩でできた犬で、犬のゴーレムみたいなものだ。さっきみたいに鳴くこともできる。一応魔法でできたゴーレムでなければ、ごくまれに鳴くこともある。
餌は岩で普通のゴーレムのみたいに守護の役目があるようで、遠目から見ているだけなら攻撃してこないが近づいても攻撃しなければ動きは鈍いので、だいたいこちらが最初に攻撃することができるので全力で初撃を入れるだけで容易に倒すことができる。
もし一撃で倒せないで近くで戦うと近接攻撃をしてきて、離れて戦うと魔法攻撃をしてくる。両者がいた場合はどちらもしてくるように魔法が使えるゴーレム系はパターンが決まっているので、戦う気にはなれない。魔法で作られたゴーレムは作った人の魔法の腕次第で決まり自由自在に操れるので、戦うなら魔法で作られたゴーレムのほうが楽しいと俺は思っている。
しかも、ダンジョン内で同じ系統のモンスター、同じ地形が続いた時、数十階は同じ系統のモンスター地形になっていることが大多数を占めるから上に上がっていかないとな。
俺は階段を見つけては登るを繰り返し1日がたった。道中すべての階を迷いながらも15階層についた。やはり、今行ったすべての階層には岩系統のモンスターしか出てこなかったみたいが、今回の階層からは違うみたいだ。
今回の階層は木々が生い茂りダンジョン内とは思えないほど明るく外と変わらない光景が広がっていた。
これは確実に新しいモンスターが出て来るだろう。俺は地面に目を凝らして新たなモンスターの痕跡を探す。今回は木の上に登ったとしても、木の葉が邪魔して見つけるのは困難なためだ。
次の階に上がるための階段を探すのも難しそうだな。おっと、これはモンスターの足跡だな。この近くにモンスターがいるみたいだな。
俺は極力気配を絶ち木の藪の中の陰に隠れながら、気づかれないように探していく、さらに先ほどとはまた違った足跡があった別のモンスターもいるようだ。俺は足跡を追って先に進むと、遠くのほうに草を食べているモンスターがいた。
俺は気づかれないように足音を消しながら近くに木に近づき木の上に登り、モンスターを見てみる。
こいつはチュルボだな。こいつは鹿で、鹿は鹿でも、普通の鹿と違い肩高が普通で3mくらい行くみたいで大きいので5mくらいが確認されたことがあるみたいだ。
角も普通の鹿と比べるとだいぶでかい、草食性で他の動物を食べたりしないが、性格は荒く自分のテリトリーにほかのものが入るのを確認すると、その巨体と大きな角を使い突進して襲ってきて、テリトリーに侵入したものを殺そうとしてくる。
それとチュルボが行く進行方向にいた場合にも、突進してきて殺そうとしてくる。同種同士が、あった場合はオスとメスで変わり、オス同士とメス同士の場合は突進対決をして負けを認めたほうが道を譲ることになっているオスがメスにあった場合はメスが、自ら戦いを避けてオスに道を譲る。
基本子供がいない限りオスもメスも単独行動をするらしいが、子供がいる場合はオスメス同士が子供を守るため、協力して戦うみたいで、角を使いより厄介になるそうだ。
まぁ、取り合えず戦ってみるか。
俺は木の上からチュルボの前に降りて、腰の両脇にある直剣を二本抜き、相手の様子をうかがう、俺を見つけたチュルボは立派な角と巨体をこちらに向けながら俺の身長に合わせて姿勢を整えて突進してきた。
意外と早いな。
チュルボの変な体制と巨体に見合わず、結構な速さで向かってくるのに驚きつつも、左のほうの剣を前に出して、突進を受け止める準備をし、迫ってきたチュルボの突進を受け止める。
うーん、角のとがった部分は危なさそうだが、威力はそんなんでもないなだいたい、ラードゥガゴーレムのパンチの威力の半分くらいかな。
俺の剣に突進を受け止められたチュルボは角器用に使い受け止めた剣にひっかけ俺をとばそぅとしてきた。
これくらいの力なら受け止めることもできるが、飛ばした後何かしてくるかもしれないので俺はわざと飛んで、吹き飛ばされるフリをして様子を見ることにした
チュルボが俺を飛ばすと俺に向かって飛んで突進してきた。俺は剣で突進を受け流し地面に戻るとチュルボは首を振り角で攻撃してきた。俺はすべての角の攻撃を剣で受け流し後ろに飛んで距離をとるとすかさず突進してきた。
もう、攻撃パターンはこれくらいかな。
俺はすべての攻撃を躱してみていたところこの攻撃パターン以外、何もないみたいなので同じことの繰り返しになってきて、飽きてきたので観察はやめ倒すことにした。
俺は二本の剣で下から上に切り角を切り上げて、体を回転させてチュルボの頭を首から斬り落とした。頭を着られたチュルボの体は地面に倒れた。




