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第四話 三か月

 生まれてから三カ月がたった。


 俺はというと決めた訓練をずっと続けている。


 ハイハイくらいはできるようになった。


 魔力のほうでは量はかなり上がったと思う。魔力操作が最近上がっているため量が上がっても、一気に全魔力を体の組織全体に生き渡せることができるようになり、すぐに魔力切れを起こせるようになった。そのたびに空気中から魔力を体内に取り込んで、回復しているから魔力の量が今どうなっているかは詳細はわからない。


 なんとなく増えているのはわかるからこのまま続けるが、そろそろ魔法の属性のレベルを上げていきたい。属性のレベルはアルファベットでG~SSまであると神に聞いた。それらを上げるためにはその属性を使用しなくてはならないから大変だな。


 その神の情報が正しいかどうかはわからないけどね。


 どうしようかな。


 俺には神からもらったチート能力はあるが、それぞれのレベルは低いものが多くて使えないものばかりだが中には使えるものもある。


 それは俺が新たに作り出した既存の分身とは違う超便利分身の魔法だ。分身を使えばかなりの作業効率が上がるがばれる可能性が多いいから、隠れる場所がない限り使えない。


 せめて屋根に行ける手段やこの家に屋根裏部屋があれば体術や様々な訓練ができるはずだが、まだ行動が起こせないため何もできない状態だ。俺の行動範囲を広げないといけないので徐々に俺が動く姿をマリー母さん達に見せつけていかないとな。


 しかし、俺はいまだにマリー母さんに動いた姿を一度も見せていない。そろそろ寝返りくらいしても大丈夫だろうと思い。


 今日マリー母さんが来たらさっそく見せるか。マリー母さんは午後になるといつも来るからな。それまで暇だから来るまでずっと寝返りを打って暇をつぶしておこうか。


「レイル。お母さんだよ」


 最近俺を心配してくれるあまり凄く話しかけてくるようになってきた。


 外の景色を見せに行ったりとか本を読み聞かせたりだとかいろいろしてくれるが、すべて無反応であしらい続けていたから当然と言えば当然か思い当たる節しかないからな。

 

 俺を抱きかかえようとした手を寝返りを打って避けて見せた。


「あらっ、もう寝返りが打てるようになったのね。エリザよりも早いわ。ロマーノに報告しないと」


 しかし、あのエリザ姉よりも寝返りを打つのが早かったとはちょっと失敗したかな? まぁいっか。早く鍛えたいからな。


 マリー母さんは俺に手を置きながらロマーノ父さんを呼びに行くと言って部屋から出て行った。


「寝返りを打ったのか、見に行こうか」


「そうよ。エリザよりも一カ月早いわ。早く行きましょう」


「私たちも見に行っていいですか」


「いいわよ」


 マリー母さんが部屋に戻ってきたようだ。ロマーノ父さん以外にもメイドが数人ついてきていた。そこには俺担当の赤色の髪をしたレイアの姿もあった。


「あら、もう寝むってしまったのかしら」


「お、寝返りしたぞ」


「はぁー、かわいいですね」


 俺は寝たふりをしていたが近くに来た瞬間寝返りを打った。


 大丈夫だったかな。ちょっと早いと言われたときは焦ったがエリサ姉の成長が早くて助かった。

 ひやひやしたが次からもこんな感じで見せていくか。


「また、寝返り打ったわよ」


 そのあとも俺は寝返りをしまくったが、俺が寝返りを打った喜びで興奮しているせいかかなりの回数をしていることにマリー母さんたちは気付いていないようだ。そろそろやめよう。


「どんな夢を見ているのかしらね。いつの間にか成長していて、うれしいわ」


「あら、もう動かなくなってしまいました」


「そろそろ仕事に戻るか。じゃな、レイル」


「レイル様じゃね」


 俺が寝返りをやめてしばらく経つと満足したのかマリー母さん以外はみんなが俺に別れを告げて戻っていった。


「すごいわね。レイルもう寝返りが打てるようになるなんて、これで泣いたり笑ったりしてくれると嬉しんだけど」


 泣くことはさすがに恥ずかしくてできないな。笑顔はそのうちに面白いことがあれば笑うけど後々見せていくことにしようか。


「おやすみ、レイル」


 マリー母さんは俺に別れを告げて部屋から出て行った。 


 ふぅー、ようやく鍛えることができる。


 完全に部屋から気配が離れたのを確認し光属性の魔法を体内に流してみたがいつもの体内に流すと漢字と変わらなった。体外に纏ってみたら体が光った。それを操作すると光に強弱が付ることができた。それを移動させることもできた。


 これはいろいろとできることがありそうだな。背中に翼みたいな感じに変形させてみる。全然できなかったが中二病みたいな感じになれそうでかっこいいな。


 他の属性でもいろいろとできそうだがここでやるとどんな影響があるかわからないためできない。


 光属性だから光るだけだけど、火属性を使った場合、触れたものや近くにあるものは燃えてしまうかもれない可能性があるからできない。


 やはり、練習のできる安全な場所の確保が必要だな。


 外の庭みたいな場所はすごく広いから安全に訓練できるが、遮るものが何もないため、他の人に見られてしまうため、できない。


 屋根の上でも、魔法を使うと光ったりするため目立ってしまう。屋根裏部屋でも火属性の魔法を使ってしまったら家に引火してしまう。


 そして、俺は考えた。地面に穴掘って、地下に練習場を作ればいいのではないかと考えた。


 まず、どうやって家を出て、見つからずに地面を掘るかだな、夜に、この周辺に生えている木まで見つからずに接近して、その気にしたで、隠れながら地面を掘れば、大丈夫だろう。


 どうやって掘ろうか。


その問題は、土属性の魔法を駆使して、解決していこうかな。


 どんな風に魔法を使うかは、まだ分かっていないが、訓練していけば、何とかなるだろう。できなかったら、また別の方法を考えればいいだけだからな。


 今後の方針は、そこに至るまでに、最低でも、高速ハイハイくらいはできるように、鍛えておかないとな。


 マリー母さんに、普通のハイハイを見せれば、行動範囲が、広がるかもしれないな。

 

 頑張ってみるか。

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